ウインマーベルと本間助手
ウインマーベルと本間助手

高松宮記念2024

[GⅠ高松宮記念=2024年3月24日(日曜)中京競馬場、芝1200メートル]

 絶対王者として君臨した龍王・ロードカナロアの引退後、長らく大混戦が続くスプリント路線。今年の高松宮記念(24日=中京芝1200メートル)は昨年覇者ファストフォースが引退し、スプリンターズSを制したママコチャが秋春制覇を目指す構図も前走がまさかの5着。混戦の様相はまだ続いている。ならば、この混戦を断つ馬は…ラガーマン・権藤記者がGⅠトライに確信を深めたのは昨年10着のリベンジを期するウインマーベル。“アベンジャー”が重賞3勝の実績を引っ提げて堂々の出陣だ。

 過去10年でミッキーアイル(15年3着、16年2着)、レッツゴードンキ(17、18年2着)、セイウンコウセイ(17年1着、19年2着)とリピーターが少ないことが一つの要因となり、近5年では3連単200万円オーバーが2度も飛び出している高松宮記念。今年は香港からビクターザウィナーが乗り込んでくることからも分かるように国内に絶対的な馬が不在ということもあり、ウインマーベル(牡5・深山)にチャンスがありそうです。

 近3走は7ハロンの重賞を転戦。初戦のスワンSこそ「京都の下り坂でバランスが悪いところが出て加速できませんでした」と深山調教師が振り返ったように、コース形態が合わない中でも5着と奮闘。そして直線で急坂のそびえる阪神コースで巻き返しを図った阪神カップでママコチャやグレナディアガーズを筆頭にGⅠ馬4頭をまとめて撃破。この2走で地力を見せつけると、今年の始動戦となった阪急杯はアサカラキング、サンライズロナウドとのシ烈な叩き合いをハナ差で勝利。「課題のスタートもしっかりこなしてくれて、いい位置取りで競馬ができました。重馬場ながらもしっかり差し切って内容としてはすごくいい競馬だったのかなと思います。根性のある馬でいつもしぶとい競馬でしっかりと差してくれているので」と深山調教師が振り返るように、道悪の重賞で初勝利を挙げる成長を示した上で自信を持っての参戦です。

 そんな同馬の進化のキーポイントは何といっても精神面の成長、そしてそれに伴う調教内容の向上と言っていいでしょう。以前は馬なりでラスト12秒台の70―40でも十分な内容でしたが、近走は馬なりで11秒台をマークすることも珍しくなくなりました。そして今回も中間は在厩での調整となった中、1週前追い切りではゴール前で気合をつけられて併走するエリオトローピオ(古馬3勝クラス)を1馬身ちぎり、ラスト1ハロンは11・5秒(5ハロン67・3秒)をマーク。深山調教師は「1週前としてはまずまず悪くない動きでしたし、集中力もしっかりあったと思います」と着実に態勢は整いつつありますが、何といっても驚くべきは日曜日(17日)の追い切り。ウッドで追われると6ハロン79・6―51・4―11・4秒の猛時計をマーク。この日のウッドで6ハロン70秒台を叩き出しているのはこの馬のみで、この日の一番時計となりました。

 1週前から調教に騎乗している同厩舎の敏腕番頭・本間助手も日曜日の追い切り後には「先生と話し合って、最初は長めに行こうと思ったんだけど、6ハロンで行って最後にしっかり最大筋肉量みたいなものを増やすイメージで」と猛時計の裏側について明かしたうえで、「3〜4コーナーで一気にすーっと加速できてて、状態も水曜日より全然いいよ。阪神カップの時も1週前は64〜65秒(5ハロン)くらいの感じでやって、当週は持ったまま行けたからそのイメージでたぶん行けるんじゃないかな。先週よりずっと上向いてきているよ」と好調を伝えます。

 一方で課題のスタートについても「ゲートは先週の金曜日に出してて一歩目の反応がちょっともう一息なんだけど、(その後は)しっかり出しているしここまで練習もしているから。輸送のスケジュール次第にはなるけど、今週もゲートを出すという予定になるかもしれないし、ここ3回(自分が)乗せてもらっている時は出ているから大丈夫だとは思うんだけどね。ゲートさえ出れば全然千二でもやれると思うよ」と発馬は問題なしをアピール。GⅠ初勝利に向けて態勢は整いつつあります。

 昨年の雪辱を期す“アベンジャーズ”の中で関東の有力馬として臨む今年の高松宮記念。枠順、馬場状態、そしてゲート…全ての要素を“アッセンブル”もとい、味方にしての初GⅠ勝利に向けて視界は良好です!

著者:東スポ競馬編集部