再コンビを結成するウィルソンテソーロ(牡5・小手川)とともにGⅠドバイワールドカップ(メイダン、ダート2000メートル)に挑戦すべくキャリア初となる海外遠征を敢行する原優介。昨年の覇者ウシュバテソーロやサウジCを制したセニョールバスカドールら強豪が揃った厳しい一戦となるが、日本が誇る度胸と理論を兼ね備えた23歳の若武者がその名を世界にとどろかせるべく、堂々と出陣する。

ウィルソンテソーロとの再コンビ結成

ドバイワールドカップにウィルソンテソーロと参戦する原優介=本人提供
ドバイワールドカップにウィルソンテソーロと参戦する原優介=本人提供

 ご存じの方も多いかと思いますが、僕は今、キャリア初の海外遠征でウィルソンテソーロとともにドバイにいます! ということで今回はこのコーナーもドバイに特化した形でお届けさせていただきますのでぜひ楽しんでいただければと思います!

 僕自身は今までドバイワールドカップを日本で見ていて、賞金が高いこともさることながらダート2000メートルという条件を使ってくる馬は馬体がすごくいい馬たちが揃っているし「いい馬たちだなぁ」と感じていました。その中で今回の挑戦にあたって、このような大舞台でチャンスを頂けたということは非常にうれしいですし、何より了徳寺オーナーをはじめとした陣営の方々へは感謝してもし切れません。ここは全力で皆さまの期待に応えるべく、一発かましてきますので、日本時間では土曜の深夜となりますが応援のほどよろしくお願いいたします!

 では、そのウィルソンテソーロについてお話しさせていただければと思います。前回騎乗した東京大賞典(2着)では先頭で進める中で道中のラップを明確にするというよりは、馬のストライドをキープしつつ楽に走れるところを探す雰囲気重視の形で運びました。ただ、その中で道中はウィルソンにとってオーバーペースにならないようにすること、そしてウシュバテソーロの脚をうまくタメさせないために3コーナー入り口で一瞬ペースを上げてみたりと、ペースの緩急をつけて揺さぶりをかけることを意識して乗って、しっかりと馬の力は出し切ることはできたと思います。

 ウシュバテソーロへのリベンジ戦にもあたる今回は17日の美浦坂路でも騎乗したのですが、小手川厩舎へ転厩してから初めてラスト1ハロンで12・1秒をマークしました。もともと去年のチャンピオンズCまでの時期は脚元と相談して無理せずセーブしての調整を行ってきたのですが、去年の東京大賞典の時期から少しずつ攻め始めてきました。僕自身もチャンピオンズCの時から1週前の水曜日と日曜日に乗るというルーティンで臨んでいましたが、厩務員の榊原さんをはじめとした厩舎の方々の仕上げがうまいこともあり、あまり速い時計を出さなくても仕上がってくる感じがありますし、むしろ直前はどこかゆとりを持たせたほうが本番で走ってくれるかなという印象がありました。そのため、今まで僕が乗った時は4ハロン56〜57秒くらいの調整にしてきたのですが、今回はハミの取り方が今まで上に抜けていた感じが前にアタックするような形に変わって走っているときの力のロスが少なくなったので、ある程度時計を出していいのかなという感じになったことが、今回の速い時計の背景です。

このメンバー相手でも自信を持って…

最終追い切りでも申し分ない動きを見せたウィルソンテソーロ
最終追い切りでも申し分ない動きを見せたウィルソンテソーロ

 そして、ドバイでの最終追い切りにも騎乗しましたが、想像以上にスピード乗りが良かったですね。序盤を力ませたくないという思惑から競馬に向けてリラックスさせるためのガス抜きをコンセプトに追い切りを行いました。移動してからも調子の良さを感じましたし、メイダンの硬くて時計が出やすい馬場とこの馬の芝向きのスピードが乗りやすいフットワークがマッチしていましたね。

 一方、競馬ではその馬場が一つのキーポイントになりそうです。メイダン競馬場の馬場は88%が砂で残りの12%が粘土とシルト(特殊な素材)でできているのですが、昨年より馬場が硬いうえに当日は散水もしますし、スピードと持続力の両立が必要な馬場になりそうですね。スピードには乗りやすい馬場なのかなという印象ですが、ガツガツ行き過ぎると止まるイメージなので最適なペースで走らせる形が一番結果の出る近道なのかなと考えています。なので、返し馬でも当然馬のフットワークとその時の馬場がどんな感じかという感触を確かめなきゃいけないですし、去年も追い込みが決まってしまっている分、前残りの馬場になっている可能性もあるので、そのあたりの状況を考慮して道中はベストの位置を取る形になりそうです。

 ただ、何より余力を残しておいて直線でしまいのスピードを発揮させないことには最後方から追い込んでくるウシュバテソーロやセニョールバスカドールには勝てないので今回もチャンピオンズCの時のように行きたい馬たちを行かせて、馬なりで中団外につける形で運びたいですね。また、メイダン競馬場のコース形態も日本でいえば船橋競馬場に似ている印象でコーナーを曲がっている時間が長く感じるので仕掛けのタイミングを見誤らないことにも注意したいです。ここまで国内での状態も良かったですし、このメンバーが相手でも自信を持って臨める力はあるので先行集団をいいタイミングで捕まえられればと思います!

著者:権藤 時大