マーメイドSを制したウインマイティー

[GⅢマーメイドステークス=2022年6月19日(日曜)3歳上、阪神競馬場・芝内2000メートル]

 阪神メインのGⅢマーメイドSは、牝馬限定ハンデ戦で単勝オッズ1桁台が7頭という大混戦。混沌の戦いの中から10番人気のウインマイティー(5歳・五十嵐)が抜け出し、20年4月の忘れな草賞以来久々の勝利を挙げた。かつてはオークスで3着に入るなど世代屈指の走りを見せていた馬がたどった2年2か月の〝回り道〟。歓喜の陣営から復活の要因を探った。

 外から52キロのハギノリュクスが主張してハナへ行ったのを見て、和田竜二=ウインマイティーは即座に抑えて最内3番手へ。前を見る絶好のスイートスポットから直線外に出すと、鞍上のゴーサインにしっかりと反応し、後続に差を詰めさせることのないパワフルな脚で先頭ゴールを決めた。「若い時は柔らかい馬だったけど、いい意味で硬さも出ていた」と久々に騎乗した感触をかみしめた鞍上。「ゲートだけ気をつけていた。馬場がいいし、行けたら行こうと思っていたけど、軽い馬もいたから。それでも絶好の手応えで追走できたし、最後まで気持ちを切らさずに走ってくれた」と快勝劇を振り返った。

 実に2年2か月ぶりの勝利とあって表彰式を終え、引き揚げてきた五十嵐調教師は「うれしー」と絶頂の笑顔で喜びを表現。「勝つ力はあると思っていた。(復活に向け)ここまでやってきたことが間違っていなかったね」と言葉を続け、「3歳の春先はどんどん馬が良くなっていたけど、秋華賞(9着)の時に状態が落ちてしまった。一時は人を近づけようとしなかったり。そこから坂路に入れたり、コースを替えたり、ブリンカーを着けてみたり。いろいろやり過ぎて何をやったか忘れてしまったよ」と苦労の日々を打ち明けた。

 そして勝因について「ここ2週稽古の動きが良くなっていた。ジョッキーには、馬混みに入れないでくれと頼んでいたんだけど、モマれる形。それでも問題なかったし、今までのトラウマが消えてきた証拠だろうね」と吹っ切れた馬のメンタルを一番に挙げた。

「(今日の競馬で)一段階上がった感じがするし、これなら自信を持っていける」と今後の活躍に太鼓判を押した和田竜。自身が手綱を取ったオークス3着馬の復活にこちらも笑顔が絶えなかった。「次走は様子を見てから」(五十嵐師)とのことだが、これからの牝馬戦線が楽しみになる鮮やかな復活走だった。

著者:東スポ競馬編集部