「華麗なる一族」中興の祖イットー

 26日、函館11R・大沼S(ダート1700メートル)は3番手を追走した7番人気のアイオライトが、直線で力強く抜け出して快勝。ここ3戦は逃げて大敗(13→13→14着)を繰り返していたが、久々の控える競馬で昨年暮れのベテルギウスS以来、オープン特別2勝目を挙げた。

 アイオライトの血統表を見ると、曽祖母にイットーの名前が。アイオライトはいわゆる「華麗なる一族」の末裔となる。

「華麗なる一族」とは1957年に英国から輸入されたマイリーを祖とする牝系を指す。その中でもイットーは中興の祖ともいえる名牝だ。

 イットーは脚部不安や故障に泣かされ、重賞勝ちは古馬になってからの75年、スワンSと高松宮杯の2つだけ。それでも、マイラーズCではキタノカチドキにこそ敗れたものの、前年の最優秀5歳以上牡馬タニノチカラには先着して2着を確保。最優秀3歳牝馬に続き、この年の最優秀5歳以上牝馬(年齢は当時の表記)に選出された。

 繁殖入りすると初子のハギノトップレディ(父サンシー)が函館芝1000メートルの新馬戦で57秒2の日本レコードで衝撃のデビュー。その後「幻の桜花賞馬」と呼ばれた母の無念を晴らして80年の桜花賞を制すると、エリザベス女王杯でも逃げ切り勝ちを演じた。

 さらに3番子となるハギノカムイオー(父テスコボーイ)はセリで当時の史上最高価格となる1億8500万円で落札され、大きな話題となった。クラシック制覇はできなかったが、宝塚記念(83年)、高松宮杯など重賞6つを制し、購買価格以上の賞金を獲得した。

 そして、ハギノトップレディと〝天馬〟トウショウボーイの産駒ダイイチルビーも91年に安田記念、スプリンターズSとGⅠを2勝。「華麗なる一族」の名声は頂点に達した。

 久しく大物は途絶えてはいるが、幸いなことに後継牝馬は多く残っている。没落した一族を復興させる名馬の誕生を心待ちにしている。

著者:東スポ競馬編集部