
アメリカジョッキークラブカップ2025
[GⅡアメリカジョッキークラブカップ=2025年1月26日(日曜)中山競馬場、芝外2200メートル(4歳上)]
26日に中山競馬場で行われたGⅡアメリカJCCを勝ったのは、戸崎圭と初コンビを組んだ1番人気ダノンデサイル(牡4・安田)。1999年スペシャルウィーク以来、レース史上4頭目となるダービー馬Vを決めた。26年ぶりの歴史を刻んだ背景と、陣営が指摘する課題を探る。
なくした「何か」
有馬記念3着後に印象的だった安田調教師の言葉。「ダービーのときに比べると、何かなくしているものがあると感じました。これからの期待よりも危機感の方が強いです」。鞍上を戸崎圭にスイッチしてまで臨んだ前年ダービー馬の26年ぶりの出走は、その〝何か〟を求めたものであったことは言うまでもない。
逃げた有馬と打って変わって、中団につけての追走。5ハロン通過60秒6で流れる中、向正面でのコスモキュランダの進出をやり過ごし、3コーナー過ぎにエンジンを点火させる。内のレーベンスティールに併せる形で伸びていくと、ゴール前では先に抜け出した2、3着馬を捕らえ切ってダービー馬の底力を見せつけた。
暮れのグランプリから中4週でのV劇。追い切りで感触をつかんでいた鞍上は「返し馬に来て、さらに良さを感じました」と手応えを得たうえで「スタートを出てくれれば、あとはリズム良く、あまり内に囲まれないようにということだけ考えて」思惑通りにレースを進めた末の快勝だった。それでも「まだ道中遊び遊び走っているような雰囲気を感じましたが、追ってからはしっかり伸びてくれて。まだまだありそうな感じがするので、子供っぽさを感じているところでもあります」と底知れない〝奥深さ〟を感じ取ったようだ。
一方、トレーナーの感触は? 「どのポジションでもいいので、馬を内に置いたときにどういうバランスになるかというのと、その後の加速に影響があるかを見てもらいたかったです」と今回フォーカスしていたポイントを明かした。その変化については「4コーナーで外にバランスを崩すというか…。体が追いつかないのではなくて、やろうとしてやっているので。幼いんですよね。調教でも体は成長を感じるんですけど、精神面が全然大人になってこないので…。いいところでもあるんですけど、もう少し大人びてくれてもいいのでは…というのはレースでジョッキーも感じています」。勝ったとはいえ、まだ精神面での幼さがレースでのパフォーマンスに影響を及ぼしていると気を引き締めた。
今後については「(悪癖を)矯正していくべきなのか、そういう舞台をこっちが選んであげる方がいいのかを見極めたいですね。出走間隔を詰めたことで、有馬記念と違う雰囲気でレースへ行くというのは分かりました。ただ、それがいいものなのか悪いものなのか。この後の馬の消耗度合いで、もし疲れていたら、気負いも疲労につながったというのも分かりますし…。明日以降の馬を見て、このレースの総括になりますね」と話すにとどめ、次走の決定はもちろんのこと、レースの〝採点〟も控えた。
まだ幼さを残すダービー馬とその成長を見守る陣営の〝親心〟。求めていた〝何か〟の答えはまだ明確に出ていないが、試行錯誤の中に手応えを得ていく様子を注視していきたい。
著者:権藤 時大


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