イミグラントソングが初重賞制覇
イミグラントソングが初重賞制覇

ニュージーランドトロフィー2025

[GⅡニュージーランドトロフィー(NHKマイルカップトライアル)=2025年4月12日(土曜)3歳、中山競馬場、芝外1600メートル]

 12日の中山11R・GⅡニュージーランドTは、2番人気のイミグラントソング(牡・辻=父マクフィ)が先に抜け出した1番人気アドマイヤズームをゴール前でクビ差かわして重賞初挑戦V。良馬場の勝ち時計は1分32秒4だった。2着アドマイヤズームと、さらに1馬身1/4差の3着コートアリシアンがNHKマイルC(5月11日=東京芝1600メートル)の優先出走権を獲得した。横綱相撲を演じかけた2歳マイル王を破る殊勲の勝利は今後にどうつながるのか。陣営のコメントから同馬の今後を読み解く。

陣営が真っ先に勝因に挙げたのは…

 1番人気のGⅠ馬アドマイヤズームを見事に差し切った。スタートは出負け気味だったが、鞍上の石川はポジションを上げるわけでもなく、馬のリズムを大切にして後方からレースを運ぶ。9番手で迎えた直線は、前8頭を一気に差し切る豪快V。持ち味の切れる脚がキラリと光った。

 石川は「中山のコース形態も個人的にはすごく合うと思います」と適性の高さに言及。それは辻調教師も同じ思いで「東京で上がりが速いと限界があると感じていましたし、中山替わりはプラスになると思っていました」と明かす。同じ舞台で行われた昨年暮れのひいらぎ賞では、2着ながら今回に匹敵する1分32秒5という好タイムで走破した実績の持ち主。陣営の見立てに狂いはなかった。

「中山千六で不利に働く外枠(8枠13番枠)でも力で押し切ってくれたのは、力がある証拠だと思います」とパートナーをたたえた石川が何より評価したのは「ポジションはどこであれ、コーナーでスピードに乗せたらなかなか減速せず、いい走りをしてくれます。コーナーが上手な馬です」という、卓越したスピードとコーナーリング性能。トリッキーな中山コースにピッタリのセールスポイントだ。力を信じて、いつもと違うポジションからでも落ち着いてパートナーを導いた鞍上の冷静さが光った。

陣営が見据えるのは次走より先?

 次走について明言はされなかったものの、優先出走権を手にしたNHKマイルCが行われるのは東京。未勝利戦を5馬身差で圧勝した舞台とはいえ、石川は「中山のほうがいい」と現状をジャッジする。トレーナーも「まだ体が寂しく見えるので、つくべきところに筋肉がついてくれればスタートも切れると思うし、気持ちも楽になってメンタルも落ち着くと思います」と見据えており、今回の参戦に〝NHKマイルCへのトライアル〟という強い意図は感じられない。

 高い能力を秘めていることと、非凡な中山コースの適性は証明したイミグラントソング。次なる戦いの場は流動的だが、これからの成長も含めて楽しみな一頭であることは間違いない。

著者:栗栖 歩乃花