
[GⅢ函館記念=2022年7月17日(日曜)3歳上、函館・芝2000メートル]
17日、函館競馬場で行われたサマー2000シリーズ第2戦のGⅢ函館記念は、好位から早めに先頭に立った白毛馬ハヤヤッコ(牡6・国枝)が優勝。開催最終週の道悪というタフな馬場コンディションの中、7番人気の低評価を覆し、19年のGⅢレパードS以来となる2度目の重賞制覇を収めた。真っ白な馬体を泥んこに汚しながら勝ち取った初めての芝タイトル。その先に待っているのは、白毛馬同士の仁義なき頂上決戦だ。
19年レパードS以来重賞2勝目
白毛のスターはソダシだけじゃない――。そう言わんばかりのハヤヤッコの激走だった。
最終週の道悪というタフなコンディションをモノともせず、道中は先団のインを手応え良く追走。3〜4角で外に持ち出されると、他馬とは違う脚色で早々と先頭に並びかける。直線では1番人気マイネルウィルトスが懸命に外から追い上げるも、馬体を並べるまでには至らず。3/4馬身という着差以上の完勝で、久々の重賞勝ちを決めた。
2歳秋(もちのき賞4着)以来となるコンビで最高の結果を残した浜中は「返し馬から調子の良さを感じていました。勝負どころの手応えも良く、先頭に立って2着馬に外から迫られると、もうひと踏ん張りしてくれました。白毛馬? 今日は泥んこになってしまいましたけど(笑い)、今後も注目していただければ」と相好を崩した。
ソダシがデビューする約1年も前に、すでに重賞タイトルを手にしていた白毛の〝先輩〟。しかし、その後は重賞とは縁がなく、〝後輩〟の大活躍もあり、いつしか存在感が薄くなっていた。そんな中で転機となったのが2走前のGⅡ日経賞。久々の芝レースで0秒4差5着と見せ場をつくった。
国枝調教師は「勝ったタイトルホルダーにもそんなに負けなかったし、いい内容だったよね。続く天皇賞・春(15着)は相手も強くてダメだったけど、芝よりダートの方が良さそうに思えた。まして今回は時計のかかる道悪の洋芝。ダートで重賞を勝っているハヤヤッコに合っていたんだと思う。あとは滞在。涼しい函館でカイ食いが良くなって、いい体つきになっていたから」と勝因を語った。
パワーのいる洋芝と滞在競馬がベストマッチ、となれば次走はおのずとGⅡ札幌記念(芝2000メートル)が視野に入る。そして、そこには〝後進〟のソダシも参戦を表明している。
国枝調教師「〝先輩〟として負けないように」
「白毛対決? 盛り上がりそうだけど、どっちも(馬主が)金子(真人)さんというのがすごいよね(笑い)。先輩として負けないように頑張ります」と国枝師。舞台は8・21札幌競馬場。白毛馬同士の〝頂上決戦〟から目が離せそうにない。
著者:東スポ競馬編集部