規格外の大物なのか? 田村厩舎の番頭格・高木助手が連日、動画をSNSにアップしているスワッグチェーン(牡=父ロードカナロア、母メジャーエンブレム)が、土曜(23日)福島芝2000メートル新馬戦でいよいよベールを脱ぐ。

 デビューを目前に控えてもピリついた感じは一切なく、馬房で寝そべってのんびり爆睡している姿に「大の字で寝て緊張感がまるでないんだよな。これでも俺は結構、緊張してるんだけど」と田村調教師は苦笑い。JRA578勝(17日終了時点)を誇る一流調教師でさえ、何が起きるかわからない新馬戦の前には相当なプレッシャーを感じるものだという。普通なら馬のほうも調教を積むうちに気持ちが高ぶってくるはずなのだが…。親の心子知らず? いや、かなりの大物だからこそに違いない。

 母のメジャーエンブレムは阪神JF、NHKマイルCのGⅠ2勝を含む重賞3勝。しかもキャリア7戦で馬券圏外となったのは桜花賞の4着だけという安定感抜群の戦績を残した。そんな母が送り出した産駒は、プレミアエンブレム(牝4)がデビューから6戦連続で複勝圏、ホーリーエンブレム(牝3)もデビュー3戦でいまだ複勝圏を外していない。明らかに計算できる血統。まして初の牡馬となれば、トレーナーの期待が大きく膨らむのも当然だろう。

「性格はすげーいいよ。お坊ちゃまだから、大事に育てられて、おっとりしている。いじけないし、悪さもしない。要は人間に対する不信感がないんだ。こういうタイプは競馬に行ってわけわかんなくなることはないはず。返し馬からゲート裏でガツンと気合を入れても、ひっかかることはないだろうね」

情熱を燃やすトレーナーにタイトルを

 祖母、母、姉たちを一貫して手がけてきた田村調教師には、すでにスワッグチェーンの本質が見えている。

「この血統は走らせるうちに、隔世遺伝でおばあちゃん(キャッチータイトル=芝2000〜2200メートルで5勝)の影響が出てくる。さんざんだまされて学習したよ(笑い)。スワッグチェーンも長いところが合うはず。初戦もこれからもクラシックディスタンスを使うことになるんだろうね」

 姉2頭がいずれも2000メートルで初勝利を挙げたことから、この距離での使いだしを決めた。そして来春はクラシックに駒を進める青写真を描いていることを隠すこともない。

 田村厩舎といえば、アスクビクターモアが今年の皐月賞0秒4差5着→日本ダービー0秒3差3着と惜しくもクラシックの栄冠に手が届かなかったことは記憶に新しい。大物感を漂わせるスワッグチェーンが、ますます馬づくりへの情熱を燃やすトレーナーに、あと一歩で届かなかったタイトルをもたらすことになるのか。新たな戦いがまた始まろうとしている。

みちのくデビューを飾りたい超良血馬スワッグチェーン

著者:東スポ競馬編集部