大阪杯は「まさかの」9着に終わったエフフォーリア

 2022年上半期GⅠの東西本紙振り返りは「3歳クラシック編」に続いて「古馬中距離編」。3歳戦以上に難解だった古馬中距離GⅠを振り返ってもらった。

 松浪大樹(大スポ本紙)前回の3歳クラシックに続き、今回は古馬のGⅠ路線を振り返っていきましょう。

 舘林勲(東スポ本紙)1番人気が勝っていないのは3歳クラシックと同じでも、古馬路線のそれは説明のつかないレースが多かったよな。ナランフレグ(高松宮記念)や、ポタジェ(大阪杯)のような善戦止まりの馬が一気にアタマまで突き抜けてしまった。

 松浪 それらの馬が急成長したことが理由でなく、人気馬が凡走したことによる波乱が多かったですよね。王道路線で言えば、エフフォーリア(大阪杯9着)の取捨に多くの方が悩んだのではないでしょうか。

 舘林 あれほどの強さで頂点に立った馬。確かに大阪杯の調教内容は以前とまるで違っていたし、負けるかもしれないとは思っていたけど、ここまで競馬にならないとは想像もできなかったな。格好はつけるだろう、と思っていたよ。

 松浪 僕も大阪杯までエフフォーリアの地力を信じていました。しかしながら、勝負どころを待たずに手が動いたような馬を2度も続けて信用はできませんよ。追い切りの動きに変化を感じませんでしたし、宝塚記念(6着)はノーマークでした。実際、さっぱりでしたからね。

 舘林 ブリンカー着用なんて策を講じなければならなかった背景を考えると、肉体的なことよりも気持ちの面の問題が大きそう。秋の立ち直りを期待したいが、それも難しい気がするな。

 松浪 父のエピファネイアがそうであったように、この血統は状態が悪くても攻めではソコソコ動くんです。でも、エフフォーリアはそうでなくなってしまった。アオられた1週前と「反応が良化した」と伝えられていたレース週では併走相手のレベルが違っていたじゃないですか。1週前に併せた馬とでも互角以上に走れる状態に戻らないのであれば、今後も軽視し続けてもいいのかな、と。大好きだったエピファネイアの代表産駒なので、なんとか復活してほしいのですが…。

「強くなり過ぎた」タイトルホルダー

上半期はGⅠ連勝を含む3戦3勝と輝きを放ったタイトルホルダー

 舘林 逆に天皇賞・春、宝塚記念と主要なGⅠ2競走を圧勝したタイトルホルダーはこちらの想像をはるかに超え、相当に強くなった。強くなり過ぎたという印象すらあるよ。いい意味で驚きを与えてくれた春シーズンだったな。

 松浪 同感です。2度も目の前でレースを見せてもらったのに、この馬の素晴らしさをレース前に感じ取れなかった。これは反省しきりですね。特に宝塚記念。本来ならヒシイグアスが楽に差し切っている展開のはず。それが2馬身差なんて…。ちょっと考えられない強さでした。

 舘林 精神面のモロさ、燃えやすさが解消され、普通に併せ馬をできるようになったことが宝塚記念の圧勝につながったのかも。凱旋門賞は適性うんぬんを言われるレースで、スローの団子状態で進む欧州スタイルにもなりがちだが、それに逆らって己の競馬に徹し切れるかどうか。これがカギになるだろうな。

 松浪 日本馬が挑戦した近年は天候に泣かされた面が多分にありましたし、良馬場で自分の競馬ができれば、僕もチャンスがあるのでは…と思っています。ペースを落として負けるような競馬はしないでほしいですね。タイトルホルダーや、ステイフーリッシュがしっかりとしたペースで行ってくれれば、必然的にドウデュースにもチャンスが生まれるでしょうし。

 舘林 能力的には日本馬が通用して不思議でない時代。楽しみにしているよ。

著者:東スポ競馬編集部