瀬谷区の2022年の救急出場件数(速報値)が、過去最多の8378件に上っていることが分かった。前年比で1567件増加。瀬谷消防署では熱中症や、新型コロナウイルス感染症の第7波と第8波の影響によって急増したと推測している。

同署によると、区内の救急出場件数は19年(7013件)まで増加傾向にあったが、コロナ禍が始まった20年(6520件)と21年(6811件)は外出自粛などの影響からか減少していた。

初めて8000件を超えた22年。事故種別では急病(6152件)が7割超となった。搬送人員は6720人で、年代別にみると65歳以上(4104人)が約61%。また、入院を要さない「軽症」(3304人)がおよそ半数を占めた。

同署が急増の一因とみているのが熱中症だ。昨年は関東地方が異例の早さで梅雨明けするなど、6月から患者が相次いだ。熱中症による救急搬送は前年比357件増の1132件に上った。

新型コロナの影響も色濃く、熱中症の時期と重なった第7波、秋から続く第8波によって救急搬送が増加したとみられている。「感染拡大で多くの人が不安を抱えるなか、病院を受診できないようなケースもあり、119番通報につながったのでは」と担当者。同署では夏と年末年始、日勤救急隊の勤務時間を延長するなどして対応にあたった。

適正利用促す

同署では救急出場が増えるなか、救急車は緊急に医療機関での受診が必要な人を搬送するためのものだとして、適正利用への協力を呼びかける。通報のなかには病院への移動手段と思われるような利用もあったという。

その一方で、「緊急性が高い症状なのか、一般の方では判断が難しい」と担当者。急な病気やけがで迷った場合は通報について相談でき、受診可能な病院も案内する横浜市救急相談センター(♯7119、または【電話】045・232・7119)の活用を促す。また、顔や手足の麻痺・しびれ、ろれつが回りにくい、突然の激しい痛みなどは緊急性が高い症状だとして、迅速な通報を呼びかけている。