秦野市は2022年度の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果を明らかにした。これによると、市内の体力合計点は小中学生ともに全国平均値より下回ったが、昨年度より改善され全国との差を大きく縮めた。
この調査は、毎年小学校5年生と中学校2年生の男女児童・生徒を対象にスポーツ庁が実施しているもの。握力や50m走、20mシャトルランなど8種目の記録を得点化し、80点満点で体力合計点を算出している。
市内では小中学校ともに全国平均値を下回ったが、小中学校の男女ともに前回の結果を上回るなど改善がみられた。体力合計点では、小学校5年生男子と中学校2年生男子は全国とほぼ同値となり、小学校5年生女子と中学校2年生女子も、昨年度と比較して全国との差異が3ポイント以上縮まったという。
種目別では、小学校5年生は男女ともに握力、長座体前屈で全国平均を超えた。20mシャトルランでは、男子は県平均を1・99ポイント、女子では2・29ポイント上回る結果となった。
中学校2年生では、男女ともに長座体前屈、ハンドボール投げで全国平均を上回り、男子ではさらに握力、50m走でも全国平均を超えた。また、女子では全ての種目で昨年度の市の記録を更新したという。
市教育指導課では、数値が改善した要因として、中学校における完全給食実施による食育の充実や、コロナ禍でもオンラインを活用して体育の教育活動を継続したことを挙げている。体育の在宅学習としては、中学校教諭が秦野市公式YouTubeチャンネル「はだのモーピク」に、家でできる運動を紹介する動画を上げるなどの取り組みがあった。
小学校に体力向上サポーター派遣
さらに、今年度は小学校に中学校の体育教諭を「体力向上サポーター」として派遣し、体育指導の充実を図る取り組みを実施。体力調査実施期間には、担当指導主事が小中学校14校の体力調査に赴き、児童生徒へ体力調査の目標設定や正しい計測方法等を周知した。その結果、特に小学校の20mシャトルランについては、体力向上サポーターを派遣した学校では、男子は1・95ポイント、女子は1・00ポイント全国平均を上回る結果となったという。
課題と今後の取組
市では小中学校ともに、種目では反復横跳びが大きな課題だとしている。今後は、体力向上サポーターの派遣校を拡充する他、地域力を生かした「日立サンディーバ」のソフトボール教室の開催や「早寝早起き朝ごはん運動」等の市の特色ある教育活動を中心に、児童・生徒の更なる体力向上を図るという。