八王子と台湾の市民交流を推進する「八王子・台湾友好交流協会」(黒須隆一理事長)は、八王子市立中学校に台湾・高雄市の特産品「金鑚パイナップル」およそ1千キロ分、650個ほどを寄贈。市立中と義務教育学校、全38校の給食の献立として5月10日から12日にかけて提供された。

海外友好交流都市の八王子市と高雄市は、双方の生徒がスポーツ交流や現地のお祭りへの出演、英語の授業に参加するなど2006年から相互交流を続けている。今回は高雄市の魅力を市内中学生らに伝えよようと、金鑚パイナップルに白ワインと砂糖を加えて煮たメニュー「コンポート」が給食の一品に添えられた。

初日の10日、第五中学校(明神町)では500人近い全校生徒がパイナップルを堪能。笹井弥(わたる)さん(1年)は「日本のに比べて甘くて柔らかい」と笑顔に。生徒会副会長の熊ノ郷公人(ひろひと)さん(2年)は「芯まで柔らかく、おいしすぎておかわりした。八王子市と高雄市の関係を今日初めて知ったので、ぜひ現地へ行ってみたいと思った」と瞳を輝かせた。

給食の後は、同校ダンス部の部員が高雄市に向けた動画メッセージを収録。中国語で「ダージャーハオ(こんにちは)」とあいさつし「パイナップルおいしかった、シエシエー」と感謝の思いを伝えた。動画は現地のテレビ番組で放映予定という。

黒須理事長は「生徒さんたちに喜んでもらえたらうれしい。美味しいパイナップルを通じて台湾や高雄市に理解と関心を深めてもらえれば。来年は小学生に提供したい」とコメント。八王子市学校給食課は「身近な給食をきっかけに、子どもたちには海外に興味を持ってもらえたら。今後もこうした取り組みを続けて世界との懸け橋になりたい」と思いを込めた。

両市の交流はコロナ禍で中断していたが、昨年はオンラインで実現。今年は12月、公募で選ばれた八王子の生徒16人が現地へ行き、英語や給食で交流する予定だ。