相模原青年会議所(JC)が5月24日、相模原市立産業会館で企業に対する多様な人材雇用への理解促進と、身体的・精神的不自由により満足に働くことができない人たちへの就労支援を目的に「サガジョブ〜合同企業説明会〜」を開催した。市内の企業を中心に35社がブース出展し、就職を希望する人が49人、障害者の就労支援施設の関係者10人、その他関係者を含めて約100人が参加した。

会場には長テーブルとイスがずらりと並べられ、参加企業の担当者が業務や仕事の内容を説明し、参加者たちはメモを取りながら熱心に耳を傾けていた。

市内から参加した30代の女性は「面接や書類選考ではない形で企業と出会うことが出来た。貴重な機会になった」と話していた。

NPO法人文化学習協同ネットワークの「さがみはら若者サポートステーション」の職員、矢盛晶さんと清水元太さんは「ブランクのある人は入口で断られることも少なくない。経歴で諦めている若者もいる。若者側を企業に知ってもらうこうした機会は重要」などと話した。

主催したJC中央区経済活性化委員会の吉澤信彦委員長は「企業側も参加者も、直接話すことで安心して体験や雇用につなげられる。人が集まるのか不安もあったが、こういった場を求めている人が多くいることを実感した」と話した。

企業の意識を変える

同JCは2021年から障害者などを対象に職業体験を実施しており、今回の説明会も、その後の「企業見学」から「職業体験」とつなげていくことを目指すもの。企業側は希望者を受け入れることになっており、JCでは現在6月に職場見学を実施できるよう調整や参加者への声掛けを行っている。

「不自由な部分があったとしても、できる仕事はある。そもそも全く(障害者雇用を)想定していないという企業も多い。まずはそういった企業側の意識を変えていきたい」と吉澤委員長。「『サガジョブ』実施によって、障害者だけでなく女性や外国人も含めた『多様な人材』を『戦力として雇う』という意識を広めたい。将来的に多様な人材雇用ができる企業は安定して人材を確保できる。そういった価値の高い企業が増えれば、地域の経済発展にもつながる」と話す。

今回の事業は10月に行われる市長例会で市民や関係団体に報告される。今後も事業者や行政を巻き込みながら継続的に取り組んでいくという。