金沢区並木在住の佐藤松弘さん(本名:征弘)が5月26日、富岡八幡宮=富岡東=に自作の創作面を寄贈した。
港南区の能面教室「面友会」の一員として、30年以上にわたって能面を作り続けている佐藤さん。面打では小面や翁など規定通りの面を作ることが一般的だが、佐藤さんは数年前から自身でテーマを設けた創作面も作ってきた。
制作した面は年に1回開かれる同会の展示会で披露するほか、出身地の宮城県登米市などへ寄贈してきた。今回は佐藤さんにとって身近な富岡八幡宮の発展を願い、寄贈を計画。佐藤さんから話を持ちかけると、佐野主水宮司が快諾した。
テーマは「お宮参り」
寄贈したのは、7歳の女児・結愛と3歳の男児・翔平という2つの面。「おしゃれをしている子どもなので、リボンをつけた。女の子の髪の生え際が細かくて大変だった」と佐藤さん。「お宮参り」をテーマに、七五三のお祝いで神社を訪れるようなイメージで作ったという。
寄贈当日は坂路禎己権禰宜が佐藤さんから面を受け取り、奉納報告の式典が執り行われた。佐藤さんは「祝詞まであげてもらえてうれしい。私自身、娘のお宮参りに来たのはこの八幡様。多くの人に見ていていただき、地元の発展につながれば」と話す。
寄贈された2つの面は参拝者の待合所に展示されている。佐野宮司は「神社にふさわしいテーマのかわいらしい面だと思う。参拝される方々に、ぜひ見ていただけたら」と話した。