横浜市などは東俣野町で1月16日から、地域貢献バス「なごみ号」による移動サービスの実証実験を開始した。6月28日まで平日のみ運行し、無料で利用可能。利用状況などの結果を踏まえ、本格運行を目指す。

半年間の実証実験

なごみ号は、社会福祉法人和みの会が所有する電気自動車。今回の実証実験は、同会と横浜市の都市交通課、戸塚区の3者が協力する形で実施されている。

俣野別邸庭園近くにある東俣野広場前から横浜医療センターまでを往復するルートで走り、1日に4便発着する(東俣野広場前から始発:午前9時30分発、最終便:午後3時発)。予約不要で定員4人まで乗車できる。

市の担当者によると、地域貢献バスの運行が計画されたのは、約2年前。運転手や運行時間などが安定して確保できるよう、地域の福祉施設や商業施設との連携を前提に計画が立てられた。

特養の協力で実現

東俣野町エリアは、住宅地からバス停や鉄道駅への距離が遠い。また高齢化の進む地域だが坂道が多いなど、住民からは交通の利便性改善を求める声が、市や区に多数寄せられていたという。しかし、需要が小規模なため交通事業者は利益が出にくく、運行を始めることが難しいなどの課題があった。

そんな中、東俣野町にある特別養護老人ホーム「和みの園」は地域貢献の一環として、移動手段拡充を長年模索しており、電気自動車導入のタイミングで市から実証実験の提案を受けた。施設利用者に支障がなく、同所の職員が運転できるなどの条件がそろい、協力体制が確立された。

区担当者は「実証実験の期間中に施設側の負担も明確にする必要がある」と話す。得られた結果をもとに施設側・利用者側の双方にとってより良い運行方法を探るため、市や区ができる支援内容を検討する。

市街地への中継地点に

区内の先行事例としては、小雀町エリアと大船駅を結ぶ乗合バス「こすずめ号」がある。なごみ号と同様、坂道の多いエリアで移動が困難な高齢者や公共交通機関から離れて暮らす住民の移動支援のために、市・地域組織・区内事業者の3者の協力によって、2008年の実証運行を経て2009年から本格運行している。

なごみ号の折り返し地点である横浜医療センターには、バスターミナルがあり、大船方面へ向かうこすずめ号のほか、戸塚・藤沢各方面へ向かうバスが発着する。区の担当者は「横浜医療センターを中継地点にして、各市街地への外出も便利になれば」と期待を寄せる。

実際に地域貢献バスを利用する地域住民は「坂道も多く困っていたのでとても助かっている。これから、戸塚や横浜方面にも足を延ばせるようになればうれしい」と笑顔で話した。

運行情報に関する問い合わせは、特別養護老人ホーム和みの園【電話】045・851・0753。