井土ケ谷中町に1971年に完成し、ランドマーク的な存在だった賃貸住宅「横浜井土ヶ谷共同ビル」の建て替え工事が終わり、130戸の「フロール横浜井土ヶ谷」として生まれ変わった。共同ビルの入居者のうち約3分の1が新物件に入居予定。貸主である神奈川県住宅供給公社は、幅広い層の入居を想定しており、新たなランドマークとなる。

地域のランドマーク

共同ビルは、鶴巻橋そばの大岡川沿いに1971年に完成。11階建てで161戸が入居。高度経済成長期の住宅不足もあり、人気の物件だった。県住宅供給公社の賃貸高層団地では初めてのエレベーターが設置されるなど、先進的な設備が備えられていた。

川沿いに建つ11階建てで、完成当時は周辺に高い建物が少なく、井土ケ谷のランドマーク的な存在だった。また、ビル内にあった集会所は井土ケ谷地区の町内会行事に使われるなど、人が集う場所としての役割も果たしていた。

完成から約50年が近付き、公社は建て替えを決定。2021年春から解体工事を始め、22年夏から新物件を建て始めた。

単身や家族向けも

新しい物件は「フロール横浜井土ヶ谷」と名付けられた。3つの棟からなる7階建てで、130戸を整備。単身者やファミリー層など、幅広い利用を想定し、ワンルームから3LDKまで数タイプの居室を用意した。室内は在宅勤務を意識し、パソコンが置きやすいスペースを設けるなどの工夫が施されている。家賃はワンルームタイプで月9万円前後、3LDKは15万円前後。共同ビルに住んでいた人のうち、52戸が新物件へ入居する。残りの物件は1月中旬に公募を行い、希望が多かった住戸は20倍を超える倍率だったという。2月以降、入居が始まる。

1階にあるシェアラウンジは外部団体への貸し出しは行わないが、入居者によるイベントは開催可能。エントランスにつながるテラスは道路に面し、災害時には炊き出しに使える「かまどベンチ」が置かれた。眼前には大岡川が流れ、春は桜が咲き誇る場所で、入居者と地域をつなぐ。

1月25、26日に内覧会があり、周辺住民などが新しい建物を見学した。公社によると、訪れた人からは「高級感がある」「暖かい感じがする」などの声が出たという。

共同ビル時代は入居者だけの自治会があったが、新物件では隣接する井土ケ谷中町第一町内会に所属することになる。