厚木市や愛川町の消防職員が、能登半島に派遣されている。厚木市消防本部からはのべ69人の隊員が救助や後方支援等で活動してきた。隊員に現地での様子を聞いた。

1次隊が宿営地に向かう際は道の崩落などで30時間以上を要し、雪道を歩いて現場へ向かった。幅600mもの大規模な土砂崩れがあった場所で、中でも沢に倒木が折り重なる難所があった。様々な自治体から派遣された40人で動いていたが、二次崩落の危険から厚木消防の隊員だけで活動することに。余震で警報器が鳴り、退避の声が響く。危険と隣り合わせの中、その地点に倒壊家屋はないと確認できた。

3次隊も土砂崩れ現場を掘った。倒木をチェーンソーで切っては掘る。土が粘土質でスコップにまとわりつき、しまいには手と足でかき出した。

どんなに倒木や土に覆われていても隊員たちは「ここに絶対に家がある」「誰かがいる」と信じて動いたという。

電波状況は悪く、家族との通話も限られていた。ある隊員は任務を終え自宅に戻ると「帰ってきてくれてありがとう」と家族に迎えられた。

難所で隊員たちを指揮した小塩智大さん(48)は、厚木に戻った後も「もし二次崩落が起きていたら」と葛藤の日々が続いた。不可欠の任務であり、勇敢に動いてくれた隊員たち、その家族への感謝は尽きない。小塩さんは近いうちに、再び被災地に向かう予定だ。