中野中学校(清水俊次校長)で1月29日、人工知能を使ってデータや情報を創出する「生成AI」を活用した授業が公開された。当日は、市内に勤務する教師のほか、県内外から100人以上の教育関係者が同校に訪れ、実際の授業を見学した。

文科省から指定

中野中学校区は、文部科学省から「2023年度リーディングDXスクール事業」の指定を受けており、タブレット端末(クロームブック)を使った授業を進めている。中でも、中野中は「生成AIパイロット校」の指定も受けており、学校教育の中でどのように生成AIを活用できるのかを実践し、成果と課題の備蓄を進めている。

当日は、国語、数学、理科、社会、英語、美術の授業が公開された。英語の授業では、生徒が各グループに分かれて、それぞれが調べたモンサンミッシェル、日光東照宮などの世界遺産について発表した。生徒は発表の中で出てきた難しい言葉を分かりやすい言葉に変換するためにチャットGPT(会話型のAIサービス)を使用し、理解を深めていった。

英語の授業を終えた生徒は「チャットGPTは質問が上手だと答えも上手になる感じ。実際に使ってみて自分では作れない文章や分からない単語は答えてくれるから便利」などと感想を話した。

公開授業の後には分科会と講演も行われ、参加した教育関係者はさらに理解を深めていた。

まず教師から

同校では、生成AIの授業での活用について昨年秋から準備に取り掛かった。教務主任の梅野哲教諭は、「まずは教師が学ぶことから始めた」と話す。中学校での生成AIの使用に関しては、文科省が昨年7月に暫定的なガイドラインを出してはいるが、現場では手探り状態で始まったという。「トライアンドエラーを繰り返すことで理解を深め、教師間で情報を共有していった」と振り返る。

さらに、チャットGPTを学校で使う際のルールとして、13歳から18歳までは保護者の同意が必要となるため、保護者への連絡、アカウントの取得など事前準備に時間を要したという。

また、13歳未満は使用できないため、対象となる中学1年の授業では13歳に達した生徒が中心となってグループで活用するようにしている。

技能教科と高相性

準備を整え、本格的に生成AIを授業に取り入れたのは今年1月から。梅野教諭は「実際に授業で使ってみた感覚としては、チャットGPTは体育、美術、音楽、図工など技能教科との相性が良いと思う。課題についてのアドバイスをAIに求めて、その回答から解決できそうな意見を取り入れて実践して、また課題を見つけてを繰り返していくことで学びが深まる。逆に一問一答のような答えが1つのものには間違えが多いイメージ」と感触を口にする。さらに「子どもの思考力低下の心配もあったが、むしろ粘り強く考えていかないと答えが出ないため考える訓練になると思う」と話す。

生成AIを授業で活用することについて同校の清水校長は「生徒が楽しく学べることが一番大事。その中で学ぶ力が付いて、将来に役立ててくれればうれしいこと」と期待した。