横須賀市の上地克明市長は2月13日、2024年度の当初予算案を発表した。一般会計予算は前年比79億円増(4・9%増)の1689億2千万円で、過去2番目の規模。新型コロナの感染症法上の位置付けが移行したことによる関連予算が減少した一方で、能登半島地震の発生を受けて計上した災害対策での新規拡充事業は、約6億円に上った。現在開会中の市議会定例会で審議が行われている。

歳入面では、固定資産税や企業業績を反映し、市税収入が約11億円増加。定額減税の影響で個人市民税は約17億円の減収が見込まれるが、全額を国の特例交付金によって補てんされる。

一般会計の財源不足を補てんする財政調整基金からの取崩し額は55億円。災害関連対策や国保会計への繰出しなどのため、前年度から8・1億円の増加となった。

一方で、歳出の増加要因としては生活困窮者や障害者、児童手当の拡充をはじめとする子育て世帯の支援などに約33億円を計上。民間事業者との連携で方針を探る三笠公園のリニューアル事業には約3億円を充当する。また、約2億円を盛り込む国の地域少子化対策重点推進交付金を活用した、新婚家族への新居家賃や引越費用補助などの事業も新たに展開する。

備蓄拡充や環境整備

今回の予算案で、とくに重点が置かれた施策のひとつが災害対策関連事業。約46億円の事業費のうち、およそ6億円が能登半島地震の発生を受けて急遽編成された。

この日の会見で上地市長は、「同じ半島という地形の特性上、対策の強化に着手しなければならない」と述べ、道路の寸断やがけ地の崩落などによる”陸の孤島化”に強い危機感を示した。

備蓄物資の拡充を図るため、市内69カ所の震災時避難所にテントや簡易ベッドを新たに配備し、これまで3日分を目安としていた携帯トイレの数を7日分に増やすという。自主防災組織が防災器材を購入する際の補助率は、購入経費の3/5(上限48万円)から4/5(同64万円)に拡大。備蓄食料や飲料水なども対象にすることで、地域防災力を強化させる。

他にも、市営住宅の空室を活用した避難用住戸を10戸から130戸へ拡充。現在3機ある災害対応用ドローンを2機追加し、消防局と各消防署に配備して速やかに被害状況を確認できる体制を整える。市は「地域防災計画なども見直していかなければならない」とし、今後も必要な対策を講じていくとした。

美術館でジブリ展

魅力的な展覧会の開催で集客力向上を図るため、横須賀美術館の運営事業費に約1億1500万円を計上した。

中でも目玉となるのが巡回展「鈴木敏夫とジブリ展」の開催。会期は3月20日(水)から6月18日(火)。スタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫氏の半生、作品の誕生秘話などが紹介され、官民連携で開催するイベントも検討。来館者数は過去最高の11万人をめざす。他にもダリ展や運慶展などを予定している。