新規営業は難しい。1200件の電話をして受注できたのはわずか5件というデータも。一体、どうすれば受注率を今よりも上げることができるのか? 営業支援企業セレブリックスのマーケティング本部長、今井晶也氏による新刊『セールス・イズ 科学的に「成果をコントロールする」営業術』より一部抜粋してお届けする。

営業コンサルティングをしていると、必ずと言っていいほどクライアント(依頼主)から「もっと売れるようにするには、どうしたらいいのか?」と、ご相談を受けます。

こうしたときに私がお伝えするのは、「〝売り方〞を考えるのは、もうやめましょう」というメッセージです。

もちろん、販売実績やその商品が売れた理由に意味がないとは言いません。売れた理由の分析は大切です。しかし、売れた理由には、運やタイミングといった「再現できない偶発性」が含まれます。

「ちょうど検討していたタイミングだった」「共通の知人がいて会話が盛り上がって信用してもらえた」といった、ラッキーパンチが存在するのです。そうした成功体験を追いすぎると、得てして再現性の低い案件ばかりを追う罠にハマってしまいます。

大事なのは「買う理由」よりも「買わない理由」

一方で、買わないと決断したお客様には、何かしら〝明確な理由〞があります。あなたがこれまで失注したケースを思い返してみてください。

「この製品を買っても問題が解決できるかはわからない」「いきなり高い製品を買わずに、まずはもっと安い他社製品から試してみる」「僕はこの製品を導入したいけど、上司の許可が下りない」

そんな見送り理由がありませんでしたか? こういった「買わない理由」は、別のお客様に営業をしても再び障害になることがあります。あなたも同じような買わない理由を突き付けられて、「またか……」と頭を抱えた経験があるはずです。

こうした「買わない理由」を、営業のプロセスで一つずつ細かく排除していくことを私は重視します。

例えば、「この製品を使っても問題が解決できるかどうかわからない」「いきなり高い製品を導入するのは怖い」といったケースなら、「お客様のお悩みと、商品の効能がフィットしている点」を示すことで、失注する可能性は減らせます。営業プロセスの顧客事例や導入シミュレーションを通じて、具体的な活用イメージを浮かべてもらうのです。