「働き方改革」が注目を集める中、最近特に目を引くのが、ヤフーや佐川急便などの大手企業が導入・検討をしていることで話題になった「週休3日」だ。休日が1日増えてうれしい反面、「給与が下がってしまうのでは?」「1日当たりの労働時間が長くなってしまうのでは?」など懸念の声も聞こえてくる。

去る8月2日、NHKの「クローズアップ現代+(プラス)」にて「週休3日」の問題が特集され、筆者は人事コンサルタントとして、働き方改革に詳しい中央大学大学院の佐藤博樹氏とともにコメンテーターを務めた。番組は、「週休3日」という新たなトレンドについて、専門家の視点から見ても非常にわかりやすくまとめられているように感じたが、ネットの反響は賛否両論だった。

現実は「月休3日」という会社が存在している

Twitterなどで「週休3日だなんてすばらしい」「ぜひうちの会社でも取り入れてほしい」というポジティブな反応もあったが、目立っていたのは「週休3日なんて夢のまた夢」「残業時間が少なくなるから結局給料減る」といったネガティブな反応もあった。中でも衝撃的だったのが次のようなTweetだ。

「クローズアップ現代で週休3日のことやってるけど、うち月休3日なのよね」

「月休3日」ということは、週休1日未満。労働基準法35条1項に触れる明確な違法状態だ。しかし、残念ながら日本の労働環境では、労働法規を一切無視した過労死ラインを超えるような長時間労働、連続勤務を強いることは少なくない。「月休3日」という会社が存在しても、何ら不思議ではないというのが現実だろう。

「月休3日」まではいかずとも、「週休1日」にとどまっている企業はまだまだ多い。「平成28年就労条件総合調査」(厚労省)によれば「完全週休2日制」を導入している企業はわずか49%にとどまり、「週休1日制又は週休1日半制」の企業は5.6%存在する。さらに建設業、運輸業・郵便業、サービス業に限れば、「週休1日制又は週休1日半制」の企業の割合は10%を超える。

こうした業種・企業に勤めている人にとっては、週休3日は夢のまた夢。現実感がまったくなく、フィクションにしか感じられないのだ。筆者自身、今でこそ自営業ゆえに、週休3日を実現できているが、会社員時代だったらまったくもってピンとこなかったことだろう。

そもそも、なぜこのご時世に「月休3日」という過酷な状況に陥ってしまうのだろうか。その理由を紐解くことが、週休3日が普及するカギを握るはずだ。その最大の理由は、人手不足だろう。