「本当に申し訳ございません!」

会社が重大な不祥事を起こすと社員の生活は“一変”します。取引先や消費者、株主と多くの人に謝ることを求めらます。

社員たちが肩身の狭い日々を強いられる

以前、JALが経営破綻した頃に「しっかりしてくれないと困るよ」とキャビンアテンダント(CA)に対してお説教をする老人を見掛けたことがあります。CAは深々と頭を下げ謝っていました。おそらく、この時期にいろいろな人に何十回も謝ったことでしょう。不祥事を起こした会社、経営陣はそのことを深く反省せねばなりませんが、不祥事の当事者ではない現場の人間からすると、やるせない気持ちになるかもしれません。

筆者もリクルートに勤務していた時代にオーナー社長の不祥事に遭遇しました。リクルート事件と呼ばれ、関連会社の未公開株が賄賂として譲渡されたとマスコミ各社が報道。リクルート関係者や政治家や官僚らが逮捕され、大スキャンダルとなりました。

報道で激しくたたかれていた期間、営業活動は自粛。さらに、それから1年以上はお詫びから始まる営業活動を強いられました。なかには「名刺交換したあとに、目の前で渡した名刺を破られた」と泣きながら帰社してきた若手社員もいました。振り返れば、肩身が狭い日々が続きました。

さらに悩ましいのは批判される内容があまりにも辛辣なことがあること。「不祥事を起こす会社の社員なんて、ろくなやつではない」と社員の人間性まで批判する人がいるのです。

取材した外食チェーンでは、異物混入事件が起きたとき、社員の子どもが学校で「あの子のお父さんは●●社の社員だから近づかないほうがいい」といじめを受けたと聞きました。勤務先の知名度が高ければ高いほど「あの〇〇という会社に勤めている」という肩書がついて回るということなのでしょう。