働き方改革、勤務時間の効率化への関心と取り組みがますます広がりつつあります。残業撲滅のために19時以降のオフォスを消灯するとか、有給休暇が「ノルマ」のように強制化された会社もあるようです。

取材した製造業の会社では、取得可能な有給休暇を年内で確実に取得することを社員のノルマにしたところ、年末に連続10日以上の休暇を取る社員が何名も出たとのこと。

ところがその当事者たちに取材してみると「本当はやるべき仕事がたまっていたので休暇を取りたくなかったのですが、会社から通達があったので……」と意外な回答。休みたくないのに休まねばならない……というジレンマを感じる人も多かったのです。

なぜそうなってしまうのか。働き方改革といいながら、仕事の効率化はまだ実現していないからなのかもしれません。疑問を感じる状況ともいえます。

加えて、時間削減でよく槍玉に挙がるのが研修や会議。かつて祝祭日まで使って会議や研修を行う会社は少なくありませんでしたが、「平日に限る」と方針を変えた会社が増えています。

会議や研修を行うにしても、実施期間を減らす傾向も出てきたようです。例えば、1週間かけてホテルに缶詰めにして行われていた「新入社員の研修」を3日間に削減したケース。また、会場はホテルなどではなく会社の会議室とし、通常の出勤の形式に変更した企業。あるいは会議の時間を1時間以内にするため、会議室の予約が1時間以上はできない状況にシステムを構築する会社も。時間をできるだけコア業務に充てるべく、会議や研修の期間削減はさらに進むことでしょう。

ところが一般社員と違い、経営幹部層や管理職に対して会議や研修が「宿泊型」で変わらず行われている(あるいは増えている)会社も少なくないようです。これは、どうして起きているのでしょうか? みなさんと考えてみたいと思います。

直接会うことで意思疎通を図る

「宿泊型」とは、例えば、全国の営業所から責任者を集めて、ホテルなどへの宿泊をともなって行われる会議や研修のこと。取材した営業系システム機器の販売会社では、来年度の経営方針の共有や地域ブロック別で戦略を策定する機会として活用していました。

もちろん、TV会議などIT機器が発達した今、コスト削減や合理化のためにも宿泊型はやめるべき……との意見はあるようですが、企画は継続されています。その会社では、毎年のように人事異動や昇進昇格により、責任者の2割程度が交代します。そうした前提から直接にお互いが会って意思疎通や忌憚のないやりとりが必要と考えるからのようです。