「オレ本番に強いし、人前で話すのは慣れている」という人。そのプレゼンを聞いて、「退屈だなぁ」と感じた経験がある人は多いのではないだろうか?

経営者などにプレゼンの指導をする、『緊張して話せるのは才能である』の著者でもある永井千佳氏によると、「本番に強いというのは勘違い。緊張する人こそプレゼン準備をすることで、成果を出せる」という。

本番に強い部長のプレゼンは、満足度が低かった

「本番になれば、何とかなる」と思っているあなた。本番では、何とかなることは、100%ありません。

「自分は本番に強い」という人も注意が必要です。もともと緊張しない人もいますが、これは正確には「緊張できない」人。多くの場合、緊張の恐怖を知らないで過ごしてきた人です。「こんなもんでOK!」と思っているので、本来持っている能力が発揮できていない状態で本番に臨んでいるケースも多いのです。

ある外資系IT企業のハラダ部長は、緊張しないタイプです。この外資系企業は、一般的にプレゼンが上手なイメージです。

「あ、プレゼン? OKOK。え、準備?
 オレ、本番強いし。人前で話すのは慣れているから。
 資料を用意してくれれば、ちゃんと話すからさ」

とハラダ部長。ところが本番が始まるとダラダラと自慢話が続きます。加えて緊張感なく話しています。そして時間オーバー。何を話したのか頭の中にまったく残りません。

ハラダ部長は、この日のプレゼンでお客さんに何を伝えるべきかを事前準備せずに、緊張感がないままプレゼンに臨んでいるのです。伝えるべきことが決まっていないので、お客さんに何も訴求できていません。結果、アンケートをとると顧客満足度はとても低いスコア。

さらに最大の問題は、ハラダ部長には反省がないこと。「顧客満足度が低かったですよ」と報告しても、「そうかぁ。残念だなぁ。お客さん、オレの話を理解できなかったのかなぁ」。だから、また同じことを繰り返します。

逆に緊張する人は、事前に何を話すかを色々と考え、結果を気にして自分がダメだと反省し、悩みます。これはよいことです。振り返ることで、この経験を生かしてレベルアップすることができるのです。