「地方勤務は嫌だ」「刺激的な毎日を過ごしたい」「20代のうちは都会で働きたい」――。そう考える人が多数派であるかのように、これまで考えられてきました。

実際、都会で働いたことのある20代が、地方勤務を積極的に希望して、転職する決断をするのは稀なケース。都会出身で地方勤務を希望する人となると、ますますレアでした。

地方では高校卒業と同時に約7割の人が都会に転出し、就職時に地元を含めた地方に勤務する比率は僅か。こうして、20代の人材は都会に集中。地方には回帰しない状態が続いてきました。

ところが変化の兆しが出てきました。地方で転職を希望する20代が急増しているようです。学情の調査によると、地方勤務を希望する人が65.8%に上り、この数カ月で3割以上も増加したとのこと。新型コロナウイルスの流行が起因となり、通勤ストレスから解放されたら、もう元には戻りたくない。あるいは

・リモートツールを活用すれば、遠隔地でも仕事ができることがわかった

・おいしい食材や自然に囲まれて過ごせることに魅力を感じ始めた

など、都会を離れるメリットに、注目が高まったようです。

現在は、まだ希望者が増えただけの状態です。もし本当に動く人が出るなら、それはそれで望ましいことだと思います。都会で勤務した経験を活かし、地域に新たな活力を生み出し、地方創生につながると思うからです。ただ、本当に転職が加速して新たな人材の流動化にまでつながっていくのか?みなさんと考えていきたいと思います。

成功事例はたまに見かけるが…

都会の企業で働く20代の会社員が地方の企業に転職して活躍するという記事が、Uターン・Iターン転職サイトで話題になることはよくありました。

例えば、大手金融機関を辞めて、地方の食品メーカーに転職。新たな商品開発を企画したら大ヒットし、会社の成長に貢献したという人。あるいは都内の広告代理店から地方のマーケティング会社に転職、地元の魅力をネットでPRして集客に貢献した人など。「地方への転職はおすすめです」と語る事例に、心ひかれたことのある人も多くいるのではないでしょうか。