まもなく「大学入学共通テスト」が実施される。社会的大混乱を巻き起こしたあの大学入試改革の産物である。当初予定されていた英語民間試験および記述式問題の導入は見送られ、従来の「センター試験」からの主な違いは、出題傾向の変更と配点くらいにとどまった。

大学入試改革が議論され始めた当初には、「2020年度には学力観ががらりと変わり、開成や灘などの超進学校が凋落する」と予測するひとたちが教育関係者のなかにもいたが、彼らはそのような学校でどのような教育が行われているのかを知らなかったのだろう。皮肉なことであるが、そのような学校ほどむしろ時代への対応がスムーズなのだ。

大学入試改革でも進学校勢力図は変わらない

優秀な生徒を集め、高い大学進学実績を残しているからこそ、誰からも文句を言われずに時代の空気に合わせた独自の教育ができる。拙著『超進学校トップ10名物対決』でも解説しているが、大学入試改革や新学習指導要領の趣旨を先取りする教育をすでに行っているのだ。当の教員たちも「これで私たちのやってきたことと大学入試との整合性がとりやすくなる」と手ぐすねを引いていたぐらいである。

時代が変化したから大学入試や学習指導要領を変えるという理屈はわかる。しかしそもそも大学入試や学習指導要領が変わるのを待っていたら遅いのだ。その時点ですでに時代はさらにその先を行っているのだから。

『超進学校トップ10名物対決』(日本経済新聞出版)より一部抜粋。大学通信調べ。※ 印は国立、◎印は私立を示す。合格者数は、各高校への調査と一部大学の公表値を使用した。防衛医大は含まない。平均合格者数は、東大・京大の医学部合格者を二重にカウントしていないため、合計数と合わないことがある

さて、「共通テスト」を皮切りに大学入試シーズンに突入すると、週刊誌が毎週のように合格者数ランキングの特集を組み、「どこの学校が躍進した、凋落した」と見出しを立てる。前述の通り今回の大学入試改革によって難関大学進学上位校の勢力図が塗り替えられる可能性は低いが、そもそもどのようなときに学校が進学校として躍進するのか。