首都圏の中学受験者数が、ピークだった2007年の数字に近づきつつある。今年もいよいよ首都圏で中学入試が始まった。都立中高一貫校の人気は高止まりし、私立にいたっては5万人以上の小学生がチャレンジする見込みだという。

一方で、第1志望に合格する子どもの数はわずかともいわれる。憧れの学校への夢を捨てずに、負け戦とわかっていても挑むべきか。受験家族を見ていると、ギリギリまで志望校選びに悩むもケースも多い。だが、子どもの力が親の想像を大きく超えることもある。

親の不安をよそに、大逆転を遂げる子がいた。都内で暮らす中学1年生の村田翔馬くん(仮名)は、昨年の受験で名門大学の付属校に合格した。入学早々、コロナの影響で通学が制限されたものの、憧れの学校の制服に身を包む姿は誇らしげだ。

実は翔馬くん、小学6年生5月に転塾を経験、このときの偏差値は38だった。しかし、最終的に彼が勝ち取ったのは、偏差値50台後半(四谷大塚)の名門私立中学の合格。親も「まさか受かるとは思わなかった」と話す。その中学受験の道のりは、どのようなものだったのか。

小5年から何気なくスタートした中学受験

昨今の中学受験を目指す家庭の増加の要因の1つとなっているのが、都立中高一貫校の存在だ。公立のため、私立のような高額な学費はかからず、6年間私立一貫校並みの教育が受けられるのが魅力だ。

今回インタビューをさせてもらった村田家も、“公立狙い”で受験を目指した家庭の1つだった。通学圏内に有名な都立中高一貫校があるため、なんとなく、「受けてみようか」と中学受験塾への入塾を考えはじめたのだという。

「4年生まで水泳など習い事をしていたのですが、そろそろ勉強系を始めさせたいよねという話が夫婦で出たのもきっかけでした」

そう話すのは、父親の慎吾さん(仮名)だ。千葉県出身の慎吾さんは自身も中学受験の経験があった。