コロナ禍になって、なお過熱傾向が止まらない中学受験。これまで首都圏で中学受験に挑む家庭を多く取材してきたが、今回取材を受けてくれたのは大都市から遠く離れた地方で暮らす母子家庭の親子だ。

両親の離婚により、小学2年生で関西の市街地から母親の実家に引っ越しとなった少女。全校生徒わずか100人ほどという田舎の小学校に通いながら挑んだ受験の物語だ。

「塾ゼロ」地域からの受験

中国地方に暮らす山本亜矢さん(仮名・高校生)は、両親が離婚する小学2年生まで、繁華街まで地下鉄で30分ほどというベッドタウンに暮らし、都会の子として育った。しかし、母親の実家のある田舎に引っ越したことをきっかけに、環境は一変した。通うことになったのは、全校生徒わずか100人ほどというとても小さな学校だった。

「小さな村ですから、転校生がくるという噂は亜矢が学校に行く前からあったようです」

画面越しに答えてくれたのは母・茜さん(仮名)だ。母親の地元でもあったため、亜矢さんは比較的すぐに小学校になじむことができた。

離婚した茜さんは仕事をしなければならなかったが、亜矢さんの下に妹もおり、幼い子ども2人を抱えて勤めに出るのは苦労も多かったようだ。ただ、茜さんは実家暮らしを選択したため、家族のサポートを受けられた。特に力を発揮してくれたのが茜さんの姉である明里さん(仮名)だった。

「受験についても姉が随分と助けてくれました。姉がいなければ、亜矢は合格できていなかったと思います」