自己肯定感の低い人は、自分が傷つかないために、さまざまな自己防衛策を講じますが、これが人間関係を難しくしていることが少なくありません。本稿では、人間関係に悩む人は自己肯定感をどう扱うべきか、心理療法士として長い経験を持つシュテファニー・シュタール著『「本当の自分」がわかる心理学』より紹介します。

自己肯定感は親の接し方で決まる

私たちが物事をどう感じるのか、心の中にあるどの感情を意識するのか――これらのことは、生まれつきの性質と子ども時代の経験に大きく左右されます。

心理学における「信念」とは、心の奥深くに根ざしている確信で、自分自身と人間関係に対する考え方を意味します。たとえば「私は大丈夫!」や、逆に「私はダメだ!」といったようなものです。多くの信念が0歳のうちに早くも養育者との相互作用によって生まれます。

私たちは通常、子ども時代とその後の人生を過ごす中でポジティブな信念とネガティブな信念の両方を持つようになります。養育者から受け入れられ、愛されていると感じる状況では、「私は大丈夫!」というようなポジティブな信念が生まれ、その信念は私たちを強くしてくれます。

これに対して、生まれてきたのは間違いだったと感じるような、養育者から拒絶されている状況では、「私はダメだ!」というようなネガティブな信念が生まれ、その信念が私たちを弱らせてしまいます。

ネガティブな信念からは、悲しみや不安、寄る辺なさ、怒りといった心身に負担のかかる感情を抱えるようになります。その感情を感じないようにするために、人を避けたり、完璧主義に陥ったり、権力志向になるといった「自己防衛戦略」をとるようになるのです。(さまざまな自己防衛戦略については「自己肯定感が低い人がやってしまう3つの行動」を参照してください)。