国公立大医学部合格者数では14年連続で単年度1位を続ける東海 (撮影:大隅智洋)

近年、減少傾向にあった国公立大医学部(医学科)の志願者数は、2021年入試で下げ止まった。コロナ禍で過酷な状況に置かれた医師を目の当たりにしていることから、当初は志願者が減少すると見られていた。しかし、不透明な経済状況が続く中、安定した職業である医師を選択する受験生が増加。さらに「人の役に立ちたい」と考える医学部志望の受験生にとっては、コロナ禍がやりがいを再認識する機会になったようだ。

では、人気が上向きの国公立大医学部に強い学校はどこなのか。数年にわたって安定的に高い医学部合格実績を残している学校を見るため、5年間合計の合格者数でランキングした。

地方や近畿・中部の学校が上位に

医学部合格者数のランキングは、東京大学や京都大学の医学部(理Ⅲ)を除く理系学部と同レベルの大学が多い最難関の入試ながら、東京大や京都大の合格者ランキングと異なる点が特徴だ。

2021年入試で東京大合格者数ランキングトップの開成は、当ランキングでは8位、同じく京都大ランキングトップの北野は42位となっている。ランキングの上位には、医学部を持つ大学が多い近畿や中部に所在する学校に加え、ラ・サール(4位)や久留米大学附設(5位)、愛光(6位)など、優秀な生徒の受け皿となる企業や仕事が少ない地方の学校が多い。

もう一つの特徴は、私立の中高一貫校が上位を占めていること。医学部を除く難関国立大は、大学入学共通テストの多少の失敗を、2次試験で挽回することができる。しかし、医学部は、共通テストと2次試験両方で高得点が求められるため、隙のない学力が求められる。その学力養成のために6年間一貫教育が優位なことをランキングが示している。

ランキングのトップは、14年連続で単年度の国公立大医学部合格者ランキングで1位を続ける東海。5年間合計では2位の灘を156人上回る556人の合格者を輩出している。医学部進学に特化した教育を行っていないが、高い合格実績に期待する優秀な医学部志望者が数多く入学することが合格実績につながっている。

2021年に合格者が最も多かったのは名古屋大学で、同大の合格者数ランキングトップとなる30人が合格。その他、名古屋市立大学12人、岐阜大学12人など、中部地区の大学を中心に合格者を輩出している。