「2021年をひと言で表すとしたら激動。激動でしたね、本当に」

昨年、デビュー曲「うっせぇわ」が大ヒットで彗星の如く現れた19歳の歌い手Adoは、社会現象となったメジャーデビュー元年を戸惑いながらも本音で振り返った。

YouTubeでのMV再生回数は2億回を超え、MV映像はアニメーションのみ、アーティスト写真もイラストで、その素顔は謎に包まれている。2020年10月デビュー曲「うっせぇわ」をリリースしたときは、現役の女子高生だった。

「ちょっとこれは大変なことになった」

「うっせぇわ」のリリース以降、存在感はさらに加速する。

「夜のピエロ」が渋谷の大型ビジョン5面をゲリラジャックした映像を見たとき、「ちょっとこれは大変なことになった」と背筋が伸びる思いだった。

幼い頃から内気なタイプで人前に出ていくようなタイプではなかった。学生を卒業して、本格的な社会人になっての2021年は、喜びと痛みを伴った1年となる。

「『うっせぇわ』という楽曲もAdoという存在も、ちょっと独り歩きしていって、その状況にまだついていけていないんです。アーティストとして社会に出ていくっていうのは、喜びと痛みを味わいながら歩んでいくことなんだなと感じられたのが大きな経験値となりましたね」

Adoがボーカロイドを知ったのは小学1年生の時。いとこに勧められてボーカロイド(歌詞とメロディーを入力するとパソコン上でキャラクターが歌う音声合成システム)に興味を持った。小学校6年生の時に高音で早口のボカロ曲を歌いこなす歌い手が存在することを知り、歌い手を志すようになった。

動画投稿サイトで彼らの音楽を聴くうち、自分も挑戦したいという思いが芽生えた。自分に自信が持てない、そんな自分を変えたい一心でもあった。

「歌い手なら、私にもできるかもしれない。変わりたい」という願望も込めていた。