ビジネスにおけるデータの分析や活用がますます重視される中、ビジネスパーソンが身につけておきたい素養の1つが「統計」です。数式を使った複雑な計算をしなければならないと考えがちですが、必ずしもそんなことはありません。また基本的な考え方を知っておくだけでも、冷静な判断がしやすくなります。

そんな「統計」の基礎を身につけるための短期連載第2回は、「グラフの作り方」について解説します。

第1回:データに根拠を求める人が陥りやすい「罠」の正体

データはそのままでは単なる数字であり、その情報を理解することで価値が生まれる。しかし、数字をそのまま眺めているだけで理解するのは難しい。そこで役立つのがグラフである。データをグラフにすることで、視覚情報を利用して、直感的にデータを理解することが可能だ。

ただし、データを単にグラフにすればいいわけではない。グラフの作成には作法(ルール)がある。どういったデータに対して、どのようなグラフを用いるべきか。グラフを作成する際に、どのような点を意識しなくてはいけないのか。今回はそのグラフの作法を紹介していく。

データをグラフにする目的は3つ

グラフの作法を紹介する前に、「なぜデータをグラフにするのか」という目的を考えてみてほしい。グラフを作成する目的について、個人的には大きく3つあると考えている。

1つ目は「データを正しく理解する」である。例えば、10個のデータから最も数字が大きいものを見つけ出すことを想定しよう。

データが数字のままだと、1つひとつを確認、比較という処理を繰り返す必要がある。処理を繰り返すので、時間がかかるし、ミスが生じる可能性も高くなる。一方、グラフにすれば、即座に最も大きな数字を見つけ出すことが可能だ。

2つ目は「データを正しく伝える」になる。データを用いる場面を想定してもらいたい。データは、プレゼンテーションや何らかの意思決定を行う場面などの根拠として用いられることが多いだろう。その際、ほかの人にデータを正しく伝えることが大事になる。

グラフを作成することによって、正しくデータを理解しやすくなるうえに、グラフで注目してほしい箇所などを指しながら説明すれば、自分と同じ視点から、ほかの人にもデータを理解してもらうことが可能になる。

3つ目は「データを一人歩きさせる」。つまりそのデータだけで、何を伝えたいのかがわかるようにするということだ。データをグラフ化することで、人に見てもらえる可能性が高くなる。同じ内容の資料が回ってきたとして、データがすべて大量の数字で提示されている資料と、データがグラフ化されている資料だったら、どちらを読もうと思うだろうか。きっとグラフ化されているものではないのだろうか。

数字のままだと、読み解くのに労力がかかるため、後回しにされ、手にとってもらえる可能性が低くなるが、グラフ化しておくことで読んでもらえる可能性が高くなる。