働き方の多様化に伴い、会社から独立してフリーやプロの道を選ぶ者が増えている。彼らは自分をどう値付けし、クライアントから対価を得ているのか。電通から独立してサントリー「角ハイボール」ほかのプロジェクトを手がけ、『非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術』を上梓した齋藤太郎氏と、マッキンゼーなどの外資系企業から「ほぼ日」に転職し、ジョブレス期間を経てエール株式会社の取締役となった篠田真貴子氏との対談から、そのヒントを探る。

篠田:先日お会いした際、齋藤さんから「篠田さんは『クリエイティブ課題解決術』を読んだ感想がみんなと全然違う」と言われましたね。

齋藤:そうなんですよ。篠田さんは「自分のフィーをどう設定したのか」という部分にいちばん関心を寄せてくれて。

篠田:むしろ私は目次を見て、真っ先にその部分を読んだんですよ。ビジネスにおいて価格設定は生命線ですが、多くの人は「いかに安くするか」に向かってしまう。そんな中で「価値があるから、自分はこの価格なんだ」という齋藤さんの姿勢に「そのとおり!」と思いました。

自分の価値の基準や根拠はどこにあるのか

篠田:加えて、私自身個人で仕事をし始めたときに「いくら?」と言われて困った経験があって。講演や事業アドバイスの依頼をいただくことがあるのですが、価格の基準や根拠がないじゃないですか。

齋藤:そういうとき、篠田さんはどうしていたんですか?

篠田:個人で活動している知人を思い浮かべて、「なんとなくこれぐらいの金額だよな? でも、私はプロではないからちょっと値引いて……」と価格を出して、恐る恐る出していました。それを繰り返す中で妥当な価格を理解していきましたね。