賛否両論の日本型新卒一括採用だが、ここに来て大きな変化の時代を迎えている。

4月18日には、経団連でインターンシップで得られる学生情報を採用活動開始後に活用することを認める動きがあった。通年採用や職種別選考を実施する企業も、年々増加している。

多様化する採用手法

採用手法についても、従来型の筆記試験と面接だけでなく、具体的なテーマを設定したワークショップや従来コンサルティングファームが実施していたケース面接を取り入れる企業が増えている。

このように採用手法が極めて多様化してきた背景には、新卒採用でも中途採用と同様に、職種軸でのマッチングを重視したり、即戦力人材を求めていることがある。さらに売り手市場の中で優秀な学生の採用をするために、各企業がさまざまな手法にチャレンジしなければならなくなってきていることも挙げられる。

ただ、先般の新卒採用で起きている大きな変化はこうした形式的な採用手法にとどまらない。より本質的には、求める人材像が明確に変化してきているのである。

特にここ5年間、各企業が「求める人材像」の要件を定義する手法としては、ピープルアナリティクスが有力だった。社内の人材データをAIに分析させて優秀な社員の特徴量を弾き出し、その特徴量に合致した学生を採用する、というわけだ。

しかし、私が多くの人事担当者と話をしていると、この試みはうまくいっていないことがほとんどだ。その理由は2つある。

1つは、そもそも十分な分析ができるほどのデジタルデータが蓄積されていなかったということだ。

そしてもう1つは、特徴量らしいものは抽出できても、肌感覚として「これでいいのだろうか」と疑問に思うケースが出てくることだ。「これでいいのだろうか」というのは、例えば、ある部長が優秀な特徴量を持っているのだが、正直なところこの部長の評価が社内で高いのは上司との調整能力が高いからであって、会社の求める人材像とは必ずしもマッチしないといったケースだ。