世の中の子どもたちはどれくらい眠っているのでしょう?

子どもにとって「十分な睡眠時間」とはどれくらいなのでしょうか?

『米国最強経済学者にして2児の母が読み解く子どもの育て方ベスト』の著者エミリー・オスター氏(ブラウン大学経済学部教授)は膨大な統計データにあたり、実際に乳幼児がどれくらい寝ているのか調査。「子どもの睡眠パターン」と、家庭間・個人差を踏まえたベストな選択を解説します。

第1回:子どもの学力「親が共働きか否か」で差は出るのか(4月30日配信)
第2回:テレビに学ぶ子と悪影響受ける子の微妙な境界線(5月7日配信)
第3回:早く話し始める子と遅い子「学力差」その後の真実(5月14日配信)

子どもの睡眠時間や昼寝の実態は?

子どもは1日に合計、どれくらい眠るのだろう?

アメリカ全体の平均に基づいた、睡眠時間のメタ解析研究を見てみよう。次の2つのグラフは、この解析をもとに、予測される最長の睡眠時間(夜間)とお昼寝の回数をそれぞれ月齢ごとに示したものだ。

(外部配信先ではグラフなどの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

(出所)『米国最強経済学者にして2児の母が読み解く子どもの育て方ベスト』(サンマーク出版)

生後2カ月あたりで、平均最長睡眠時間が大きく跳ね上がっている。ここで夜間の睡眠が確立する。この時点からは、子どもの月齢が上がるとともに増加は穏やかになる。お昼寝のグラフにはさらに情報が含まれている。平均お昼寝回数は、生後9〜10カ月に2回に、18〜23カ月に1回へ移行している。この論文は睡眠の合計時間もまとめていて、新生児の平均は1日16時間、1歳では13〜14時間に減少する。

ここから平均的な子どもの睡眠時間が推定できるだろう。とはいえ、平均にぴったり当てはまる子どもばかりではないだろうし、グラフは子どもの間のばらつきを示していない。

ここで登場するのが「スマートフォン」だ。ここ数年間のデータ収集における最大の技術革新は、アプリからデータを集められるようになったことだ。スマートフォンによる子育ての時代になり、私たち研究者のデータ収集はフル回転で進んでいて、睡眠データもその例外ではない。当然、研究者はこの宝の山を調査している。

データが大量にある利点は、人によるばらつきを見ることができる点だ。