多くの子どもが自分からやりたがり、夢中になって取り組んで、解けた喜びを「できた!」と声に出して表現する。算数が好きになり、考えることが好きになる。

自身が主宰する学習教室「花まる学習会」で、一貫して教育の中心に算数パズルを据えてきた高濱正伸氏。著書『考える力がつく 算数脳パズル なぞぺー①改訂版』より、オリジナルの算数パズル「なぞぺー」の一部を紹介します。

頭の中で平面図形や立体を動かせるか?

長年、学習教室で子どもたちを教えてきた経験から、私は「思考力の本体部分」には、いわゆる臨界期があると考えるようになりました。ある種の思考力は小学3年生くらいまでに伸ばせるかどうかでその後に大きな違いが生まれるのではないか、ということです。

中でも、図形や三次元空間をイメージする力には、その傾向があると考えています。頭の中で、平面図形や立体を回転させたり裏返したりする様子を、ありありと思い描きながら考える能力です。

もちろん、高学年以降や中高生になってからでも、図形や空間に関する能力を伸ばせないわけではありません。高学年以降の学習で身についた論理的思考や抽象的思考の力を駆使したり、あるいは図形・空間問題の「解法の定石」を学んだりすることで、答えにたどりつく能力は伸びていきます。

しかし、図形・空間問題に論理的思考や抽象的思考を応用したり、解法の定石を身につけたりする上でも、頭の中でありありと思い描く能力があることは、やはり有利に働きます。つまりここでも、「イメージする力」の差によって、学びにさらに差が生まれがちなのです。