いま日本は世界から「衰退していく国」というイメージで捉えられている。コロナ禍で続く極端な内向き志向もこれに拍車をかけている。しかし長く続く”令和鎖国”でその危機感すら薄れてしまってはいないだろうか。

新刊『JAPAN TRANSFORMATION(ジャパン・トランスフォーメーション) 日本の未来戦略』から、楽天会長兼社長の三木谷浩史氏と星野リゾート社長の星野佳路氏が考える「これからの日本ブランディング戦略」について紹介する。

前回記事:

インバウンドはさほど成功していなかった?

星野:これからアフターコロナの社会へと進んだ先、日本の観光業界も新たな挑戦のときを迎えます。コロナの影響でインバウンドは壊滅的な状況となりましたが、それ以前の日本のインバウンドが成功していたかというと、そうとはいえません。

2003年の小泉内閣で観光立国政策が打ち出されて以来、訪日観光客の数は伸び続け、2018年には3000万人を突破しました。うまくいったように見えますが、この数字にはトリックがあって、実は3000万人のうち65%は東京・大阪・京都を含むトップ5都道府県で占められているんです。

トップ10の都道府県まで広げると80%超にもなる。京都ではオーバーツーリズム(観光客数が過剰となる状態)が問題になっていたほどです。つまり、地方にはほとんどインバウンドが行き届いておらず、観光で日本全国を元気にするという、もともとの目的からは乖離していた。

コロナによってリセットになり、どう立て直していくかと考えるときに、前と同じやり方では意味がない。本来の目的にかなうように、地方も含めてバランスのとれた集客ができるように策を練ることが重要だと考えます。