デカルト、オイラー、ガウス。歴史に名を残す数学者たちの名前や功績はなんとなく聞いたことはあっても、彼らの人となりまで知っている人は少ないだろう。だが、偉大な数学者たちも、私たちと同じように悩み、笑い、懸命に生きていた。その軌跡を知ると、難しく感じていた数学もグッと身近に感じられるかもしれない。今回は、そんな数学者たちの生き様をまとめた『数学者図鑑』の中から、「最初の数学者」と呼ばれる古代ギリシアのターレスを紹介する。

なぜ「最初の数学者」と呼ばれるのか

ターレス(B.C.624年頃〜B .C.546年頃)

(イラスト:『数学者図鑑』より)

古代ギリシアのミレトス(現トルコ)出身。ギリシアの七賢人のひとりで、史上最古の哲学者であり、史上最古の数学者。名門の生まれだったが、身の回りのことについては無頓着で、貧乏だったとされる。

紀元前585年の日食を予言し、ピラミッドの高さを計算し、「円の直径に対する円周角は90°である」というターレスの定理を証明した。あらゆる分野で知性を発揮した賢人。

アリストテレスは「ターレスこそ、哲学の祖」と言った。また、イギリスの哲学者・数学者のバートランド・ラッセル(1872年〜1970 年)も「西洋の哲学史はターレスに始まる」と言った。なぜターレスが哲学の始祖なのか?

それはターレス以前には「世界の起源」について神話的な説明がなされていたのに対し、ターレスは初めて「万物の起源は水である」と、世界の起源に関して合理的な説明をしたためといわれている。世界は水から生まれ、水に帰ると考えた。