4月になると就活サイト各社が「就職人気ランキング」を発表する。これは学生の投票によって、人気企業を選んでおり、基本は「自分が志望したい、入りたい」企業ランキングだ。男女、文理、地域、調査時期によって内容は異なるし、そもそも投票学生層に就活サイトによる差異があるので、発表されるランキング企業には個性がある。

今回紹介するのは、「優秀な学生しか入れない」イメージの会社だ。ニュアンスとしては、学生に「憧れはあるが、自分より優秀な学生でなければ内定は取れないだろう」という会社を選んでもらっている。

使用するデータは、HR総研が2022年3月に実施した「楽天みん就」会員対象の「2023年卒就職活動動向調査」だ。

伊藤忠商事が他社を圧倒

就活における人気企業の顔ぶれを見ると、数年単位ではあまり変わらないことがほとんどだったが、この数年はコロナ禍による影響を受けている。コロナ禍以前には、全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)のエアライン系2社の人気が高かった。この2社は定番のトップグループであり、なぜかつねにANAのほうが上位だった。しかし、今回紹介するランキングに両社の名前はない。

コロナ禍で、航空機による移動が激減し、採用が中止になったからだ。現在は両社とも採用を再開しているが、事業環境は依然厳しく、トップグループへの復帰にはまだ時間がかかりそうだ。

現在不動の座を占めているのは伊藤忠商事だ。2018年卒以前では電通がトップになることが多かったが、2019年卒以降は伊藤忠商事の首位が続く。

以前から商社人気は高かった。5大商社(三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、住友商事、丸紅)という総称名もあるし、双日と豊田通商を加えて7大総合商社と呼ぶこともある。ただし、10年ほど前は財閥系の人気が高く、その中でも三菱商事、三井物産が抜きん出ていた。

しかし、2010年代半ばの頃から、伊藤忠商事が商社人気の1位、2位は三菱商事という構図が定着した。今回の調査でも三菱商事は5位だ。ただ、得票ポイントは伊藤忠商事の文理合計が163なのに対し、三菱商事は合計で40と4倍以上の開きがある。この背景には伊藤忠商事の好業績や話題性がある。2010年代に業績首位の期間が長かった。