生まれたての赤ちゃんの育児は、過酷だ。昼夜問わず3時間おきの授乳が必要なうえ、合間におむつ替えや寝かしつけもしなければならない。抱っこしても、あやしても泣き続けることもあり、その都度「体調が悪いのかもしれない」と、不安に襲われる。まさに24時間体制で、小さな命を守る日々が続く。

コロナ禍の今は里帰り出産や親に手伝いを依頼することを控えるケースも多い。その場合、産後まもない母親が主に頼れるのは父親だ。しかし、頼りの父親が朝から晩まで仕事だと、母親が育児と家事をすべて担うことになる。

そんななか、男性の育児休業の取得促進のため、2021年6月に育児・介護休業法が改正され、今年の4月から順次施行されている。いま、男性育休の取得促進が急務とされる背景と、男性育休の現状を取材した。

有職女性の約半分が「仕事と育児の両立が困難」と退職

厚生労働省によると、2020年度の育休取得率は、男性12.65%、女性81.6%と、男女差が大きい。前年(2019年度)の男性育休取得率(7.48%)からは大幅に上昇したものの、国が示す2025年度の目標である30%にはほど遠いのが現状だ。

なぜ今、男性育休が促進されるのだろうか。厚生労働省によると、出産前に働いていた女性のうちおよそ半数が、出産を機に「仕事と育児の両立が困難」として退職しているという。

仕事と育児の両立が難しくなる理由の1つに、女性たちの家事育児負担がある。日本における夫の家事育児の時間は、「1日1時間程度」と、国際的にも低水準だ。一方、夫の家事育児の時間が長いほど、妻が仕事を続ける割合が高いことがわかっている。

希望する人が仕事と育児の両立が可能になるよう、今回の法改正で男性育休取得が促進されている。取材を通じて、コロナ禍の今だからこそ男性育休の整備が急務な実態も浮かび上がってきた。