記憶力や論理的思考力・説明力や抽象的な思考能力など、「頭がよい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があり、後天的に獲得している能力は少ないと考える人が多いのではないでしょうか。

その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当で、MBS/TBS系『100%!アピールちゃん』でタレントの小倉優子さんに大学受験の指導もする西岡氏は、小学校、中学校では成績が振るわず、高校入学時には東大に合格するなんて誰も思っていなかったような人が、一念発起して勉強し、偏差値を一気に上げて合格するという「リアルドラゴン桜」な実例を集めて全国いろんな学校に教育実践を行う会社「カルペ・ディエム」を作っています。

そこで集まった知見を基に、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載(毎週火曜日配信)。第26回はカルペ・ディエムに所属する現役東大生の黒田将臣氏が「受験する動機の重要性」を解説します。

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東大卒の平均年収は日本人の平均を大きく上回る

東大に合格したらどれくらいのお金が稼げるのか、ご存じでしょうか。

民間給与実態統計調査によると、2020年の給与所得者の平均年収は433万円(平均年齢46.8歳)です。それに対して、オープンワークの調査によると、東大出身者の想定年収は45歳時点で1155万円です。

差分は722万円。ざっくり計算すると、45歳から60歳まで働くとして、722万円×15年=1億0830万円。つまり東大に合格すると、1億円多く稼げることになります。生涯年収で考えれば、優に「1億円を超える儲け」になる可能性も秘めるビジネスチャンスだといえてしまうのです。

……なんていう話をすると、「受験にお金の話を持ち込むのはどうなの?」「そんな生々しい話をするのはどうなの?」と感じる人もいると思います。事実として、学校現場で学校の先生が「いい大学に行ったら生涯年収が上がるから勉強しろ!」と言っているような学校はないでしょう。

僕も、いろんな学校で生徒指導のお手伝いをしていますが、学生たちに「なぜ勉強するか」と聞いても、「お金のため」と答える人は少ないです。また僕がお世話になっている学校の教頭も、「親からもお金の話をあまりされていない学生が多いから、昔よりも『いい大学行って、たくさん稼いでやろう!』という学生が少なくなっている」と話していました。

「お金のための受験」というのは不純な動機のように感じる人もいるかもしれませんが、それが「自分の意思」であるならば、非常に重要なことなのです。

『ドラゴン桜』の中で、桜木先生は何度も「お金」の話を学生や先生たちにします。それに対して現場の先生方や生徒たちは拒否反応を示してしまうこともあるのですが、それでも桜木先生の話には説得力がある場合が多いです。

例えば、このシーン。桜木先生が「お金の話を学生にするべきだ」と主張するシーンです。

ドラゴン桜でお金の話をするシーン (漫画:©︎三田紀房/コルク)