逆境や困難に遭ったときに、そこから立ち直る力を「レジリエンス」といいます。現在、レジリエンスについては世界中で研究が進められており、この力を幼少期に育てることで、心の健康、対人関係、学業に良い影響があることがわかっています。

新著『きみのこころをつよくする えほん』では、特に幼少期において最も重要な「自分のネガティブ感情に上手に対応する力」を育てるコツを紹介しています。本稿では、絵本の監修者である日本ポジティブ教育協会代表理事の足立啓美さんが、子どもへのレジリエンス教育の重要性と、日常生活の中でレジリエンスを身につけるコツを解説します。

(前回記事:『「逆境に負けない子」に育てることが今必要な理由』)

ネガティブ感情との上手な付き合い方

幼少期において重要になるのが、「自分の感情と上手に付き合う力」を育てることです。特に、不快な感情を持ちながら我慢できる力の存在は、以降のレジリエンスを育てることに大きく影響すると言われています。

「感情と上手に付き合う力」とは、自分の感情に気がつき、その理由を理解し、適切な対応をする力のことです。その中には、圧倒されるようなネガティブな感情に対応する力である情動制御の力も含まれます。

子どもの感情と上手につき合うサポートをするうえで最初のステップは、感情を言語化する「感情のラベリング」をお手伝いしてあげることです。

「感情のラベリング」とは、その子がその時にどんな感情を感じたのか?ということを言語化してあげることです。

「おもちゃをとられちゃって悔しかったね。悲しかったかな?」という具合に声をかけて、子どもが感じた気持ちをそのまま受け止めてあげ、そのうえでその感情を言葉にするサポートをすることで、子どもが感情をより上手に扱うことができるようになります。

親から感情を言葉にする手助けをしてもらうと、子どもは自分の気持ちとのつきあい方を学ぶことができます。加えて、「理解してもらえている」「自分の感じていることをそのまま受けとめてくれている」という相手への信頼感も生まれます。そして、このような信頼関係は、ストレスや困難な状況に立ち向かう時に大切なソーシャルサポートにもつながっていきます。