2年連続で販売台数が世界一の自動車メーカー・トヨタは、「カイゼン」をはじめ、さまざまな企業文化で知られていますが、最大にして最強のスキルは「考え抜く」ことです。トヨタ出身の「紙1枚!」シリーズで知られるベストセラー著者の浅田すぐるさんは、この「考え抜く」と「やり抜く」は表裏一体であるゆえ、「まず、やってみること」が重要だと説きます。しかし、アタマでわかってはいても、すぐに取りかかれない人が多いのも現実。では、どうすれば一歩踏み出せるのでしょうか。浅田さんの最新刊『トヨタで学んだ「紙1枚!」で考え抜く技術』を一部抜粋・再構成し、なかなか成果が出ない人の思考法と、その改善方法を紹介します。

まずは1つ、本音としてはあまり話したくないエピソードを共有させてください。

ある業務で、私は米国トヨタの担当者と英文メールでやりとりをしていました。ただ、こちらからの依頼内容についての返答がいまいち理解できず、「うーん何が言いたいんだろう……」という状態で仕事を停滞させてしまったのです。

その後、1週間ほど経ったあたりで上司から「この件どうなってるの?」と聞かれたので、私は「先方のメール返信が的外れでよくわからなかったので止まっちゃってるんですよね」と、他人事のような口ぶりで返答しました。上司は烈火の如く怒り、「おまえな、わかんなかったら聞けよ!」と一喝。止まっていた仕事は、これをきっかけにようやく動き出すことになります……。

わからないことを言い訳にしていた

今回のエピソードにおける悪い意味でのエッセンスを抽出すると、当時の私が「わからない=わかるように仕事をしなかった相手のほうが悪い=こちらは何もできなくて当たり前=したがって自分は何もしなくてOK」といった思考回路で仕事をしていた点にあります。要するに、「わからないこと」を、仕事をやらない「言い訳」にしていたのです。