ビジネスパーソン向けに数学を解説する『ビジネスで使える数学の基本が1冊でざっくりわかる本』を上梓したグロービス経営大学院教授の嶋田毅氏と、東大生がやっている学びのコツを紹介する『「学ぶ力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大独学』を上梓した西岡壱誠氏が、「学ぶこと」について対談しました。

嶋田氏が長年見てきた「ビジネスパーソンの学び」は、意外にも西岡氏が見てきた「学生の学び」と似ている点も多いといいます。前編は、「仕事の学び」にも「勉強の学び」にも共通する、同じように学んでいても「伸びる人」と「伸びない人」の差について語ってもらいました。

わからないところまで戻って学ぶ勇気

西岡壱誠(以下、西岡):今日はよろしくお願いします。嶋田先生には、「学び」についてうかがいたいことがたくさんあって、楽しみにしていました。

嶋田毅(以下、嶋田):『東大独学』、読ませていただきました。学生だけでなく、社会人の学びにもとても役立つと感じました。今日はよろしくお願いします。

西岡:ありがとうございます! 

1:わからないところまで戻る勇気

西岡:さて、僕が考える「伸びる人、伸びない人」の最初の違いは、「多少恥ずかしくても、わかっていないところまで戻る勇気」があるかどうかということです。

実は、東大受験生でも、中学の範囲まで戻ってやり直すということがザラにあるのです。僕は偏差値35から東大を目指したので、小学校の計算問題まで戻って勉強しました。

嶋田:まったくそのとおりですね。特に積み上げ型の勉強は、基礎の簡単なところからやってみることが重要です。

最近は、中高生が学校でコンピュータサイエンスの基礎を学んでいます。大人が基礎からやらなかったことを、中高生が勉強しているわけです。大人も、そのレベルまで戻って勉強してもいいと思います。