タイパ(タイム・パフォーマンス)という言葉が流行るなど、何をするにも「効率」が求められる昨今。そのような世相のなか、「わかっているけど、行動に移れない」「先送りグセがある」などといった悩みを抱え、息苦しさを感じている人も多いのではないでしょうか。では、どのようにすれば、すぐに動けるようになるのか? 

「すぐにやれないのは、脳の準備不足が原因です」と話すのは、医学博士で「脳の学校」代表の加藤俊徳さん。『1万人を診た脳内科医がすすめる すごい行動力』を刊行した加藤さんに、「すぐやる人」になるためのコツを聞きました。

「すぐ動ける」脳になるための鉄則

脳には1000億個を超える神経細胞があり、運動に関する細胞、聴覚に関する細胞、記憶に関する細胞など、同じ働きをする細胞同士が特定の部位に集まり基地を形成しています。

その脳神経の集団がある基地のことを私は「脳番地」と読んでいます。脳全体を地図に見立てて、脳の役割ごとに番地を割り振ったということです。

細かく分類すると120以上あるのですが、大きくは8つに分類されます。

(出所:『1万人を診た脳内科医がすすめる すごい行動力』)

運動系脳番地は、8つある脳番地の中で最も、「すぐ動ける」かどうかに関係しています。

赤ちゃんの脳もまず運動系脳番地から発達し、それに伴って他の脳番地も発達していきます。あらゆる脳番地と連携しているのが運動系脳番地なのです。