「優しく接していたら、成長できないと不安を持たれる」
「成長を願って厳しくしたら、パワハラと言われる」

ゆるくてもダメ、ブラックはもちろんダメな時代には、どのようなマネジメントが必要なのか。このたび、経営コンサルタントとして200社以上の経営者・マネジャーを支援した実績を持つ横山信弘氏が、部下を成長させつつ、良好な関係を保つ「ちょうどよいマネジメント」を解説した『若者に辞められると困るので、強く言えません:マネジャーの心の負担を減らす11のルール』を出版した。

本記事では、毎日部下を褒め続けたら、上司としての評価が著しく悪くなった上司の話を取り上げる。部下を「褒めて伸ばす」ことをめざしたマジメな上司は、いったい何を間違えたのか? そして、どのように褒めたらよかったのか? 書籍でも論じているマネジメントのルールに基づいて解説していきたい。

部下を褒めることを推奨するリーダー研修

「部下を、褒めていますか?」

あるリーダー研修に参加したマネジャーは、講師からこう尋ねられたという。

「一応、褒めているつもりです」

そう答えたが、講師は笑ってこう返した。

「もっと褒めましょう! 褒めて、褒めて、褒めまくるのです」

そこからはグループを作って「美点凝視」のワークがはじまった。他の企業から参加している部長や課長たちと4人で、相手の良いところを見つけて指摘し合う演習だ。

「笑顔が、爽やかですね」

「とても頭が、キレそうです」

「ネクタイが、お似合いだと思います」

はじめて会った相手の「美点」「良いところ」を見つける演習を続けることで、誰もが新しい発見を得られた。