ただ、独占的かというとそうではない。元アマゾンの従業員が設立したFlipkart社がかなり強く、同国のモバイル端末経由の取引シェアではトップだ。最近ではeBayインドと連携し、さらに同業態の同国3位であるSnapdealも買収し(なおこの会社はソフトバンクが出資し、評価額を引き下げたあと、Flipkart社へ株式を売却した)アマゾンと対抗姿勢を鮮明にしている。

新興国にスマホを投入する背景

そのなかで注目すべきは新興国のスマホ経由購買の多さだ。米国では、昨年のブラックフライデーセールの際に3分の1がスマホ経由だったと報じられた。オンラインといえば、その比率はどんどんスマホになっていく。

新興国はスマホ経由率がきわめて高い。A.T.カーニーの調査(「The 2017 Global Retail Development Index™」)によると、平均年齢が低いとはいえ、驚くべき数字だ。同報告書の下側にあるが、たとえばアリババのTmallは70%がスマホ(モバイル端末)からの注文だ。その他、新興国においては高水準ばかりだ。

さらにインドの特徴としては、オンライン専業の業者がかなり強い。eコマースにおける、オンライン専業トップ4社が占める比率は、インドで86%にも至る。

もちろんアマゾンは先進国を無視しているわけではない。ただ、インドのような新興国で、かつモバイル端末が決定的な競争力の源泉となりうる領域をまず攻めようとするのは戦略上、理解できる。安価端末を販売し、そして、自社サイトに誘導する。これは魅力度ナンバーワンのインド市場では王道の戦い方のようにも見える。

iceがアマゾンの失敗したfireを鎮火させるかはわからない。前述のとおりアレクサは搭載されるかはわからない。しかし、iceはもしかすると、消費行動データのみならず、新興国の消費者の莫大な声データ、GPS情報、さらには顔情報も集めるのかもしれない。同じ小売業者で考えたとき、日本に対抗できる企業はあるだろうか。