今の米国市場は水が風船内にたまっている状態

米国株式市場では、徐々に怪しい雲が広がりつつある。それは特に物色動向に表れていると考える。

足元では、NYダウ平均株価などに比べた、ナスダック総合指数の優位が目立つが、それは、いわゆるFANG(フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグル〈上場しているのは持ち株会社のアルファベット〉)といった、華々しい銘柄群の株価上昇によるところが大きい。

これらの銘柄群は、確かに長期的にみた企業の将来性に対する期待が大きく、株価の上昇そのものに無理はない。しかし、そうした、誰がみても文句のつけどころが少ない銘柄に、物色が偏っているようにも感じられる。その現象は、逆に言えば、他の銘柄群を買いにくいとの投資家の見解が広がっている、とも解釈できる。

FANGなどの銘柄群は、既に一度、6月にかけて大いに買い上げられた。しかし、「誰が見ても文句がつけにくい、安心感がある投資対象だから」といった面が強すぎて、多くの投資家が飛び乗ることで割高感が生じたため、一度6月後半を中心に、株価のピークアウトが生じた。

しかし、それらの企業実態に何か悪い変化が起こったわけではなく、消去法的に他に有望な物色対象が見出しにくい、という状況も変わらないため、現在は再度FANGなどが買われている、ということなのだろう。したがって、足元の株価上昇も、6月と同様に、また「反省期」に入る恐れが払しょくできない。その際に、FANGなどの銘柄群が株価調整をみせながら、他の企業・業種に物色が回らなければ、当然、米国株式市況全般に調整色が強まることとなる。

とは言うものの、こうした物色が行き詰まるという懸念は、市場内部の要因であり、たとえて言えば、風船の中に水がしだいにたまり始めているような状態だ。余りにも「物色行き詰まり」の水が多くなりすぎれば、内部から破裂しかねない。