「とにかく安い」というだけではお客はつかないのが、航空会社だ。ビジネス客は、定時に出発し、到着するという正確さがなければ乗ってくれない。その「定時出発」にこだわっているのが、いったん経営破綻したスカイマーク。いまや、定時出発No.1常連のJALを猛追している。

「〇〇便のお客様はいらっしゃいませんか〜」。スカイマークのチェックインカウンターや保安検査場近くの客の列に向かって叫ぶスカイマーク社員の姿をよく見掛けるようになった。出発時刻の20分前になってもチェックインしていない客や、15分前にまだ保安検査場を通っていない客に声をかけ、社員が誘導しているのだ。

スカイマークはANAやJALのように保安検査場を客が通ったかどうかをリアルタイムで把握できるシステムを入れていない。またチェックインなしで保安検査場に向かえるサービスもない。

経営に余裕がない中で凝らす「工夫」の中身

昨年春に民事再生手続きが終わったとはいえ、上位2社のように最新の顧客システムを導入するだけの余裕はまだない。だから、客を出発時間前に余裕をもってゲートまで誘導しようと声かけに力を入れているのだ。

スカイマークは2015年1月、民事再生法の適用を申請し、破綻した。その前後の状況はまさに「安かろう悪かろう」だった。定時運航率(出発予定時刻から15分以内に出発した便数の比率)をみるとそれは明らかだ。

2014年度のスカイマークの定時運航率は83.75%。JAL(93.04%)、ANA(92.45%)よりも9ポイント前後も悪い。2015年度は少し改善したとはいえ、3〜4ポイント以上の差をつけられている。

それが昨年秋以降、様子が変わった。

2016年10〜12月はANAより好成績となり、JALまで1.06ポイント差の好位置についた。今年1〜5月の定時運航率をみると、ANAを0.22ポイント上回り、JALには負けたが、1.04ポイント下回る90.88%。5月単月をみるとJALとの差は0.7ポイントと肉薄した。