ふくおかフィナンシャルグループと十八銀行は7月25日、統合の再度延期を決めた。これまでもふくおかFGと十八銀行は、株式交換による統合を当初予定の2017年4月1日から同年10月1日に、ふくおかFG傘下の親和銀行と十八銀行合併を当初予定の2018年4月から同年10月に、それぞれ半年延期していた。

だが、今回は時期を示さない延期、いわば無期限延期となった。延期の理由は、公正取引委員会の「審査が現在も継続中」、要は承認が得られていないというものであり、承認取得の見通しは立っていないという。

超低金利環境と資金需要不足で地方銀行は運用難にあえいでいる。地方の人口減少も進む中で、金融庁は再編へ向けた旗振りを続けてきた。そこへ公取委が「待った」を掛けた形だ。

すべての地方銀行が統合再編と無縁ではなく、統合再編を考えたことがない頭取はいないといわれる中で、今後の地銀再編には大きな壁ができたといえる。

長崎県内のシェアが競争上大きな問題なのか

公取委は、公正で自由な競争によって消費者の選択の余地を確保し、消費者利益を守ることが仕事だ。そうした文脈で今回問題となったのは、長崎県内のシェアだ。

2017年3月末で、ふくおかFG傘下の親和銀行(本店:長崎県佐世保市)と十八銀行(同:長崎県長崎市)は合算で県内貸出金シェアが64.5%に上る(信金・信組・農協、政府系を含み、ゆうちょ銀行を除く)。

しかし、近年は競争激化で地銀相互の隣県進出が激しく、企業や消費者は県内に本店のない銀行から融資を受けることが増えている。

マネックス証券の執行役員で金融アナリストの大槻奈那氏は「公取委の論点とルールもわかるが、何が本当に公益に資するのか、今のルールも含めて再検討の余地がある。地域金融機関が互いに他県に進出し合う中では、必ずしも県内でのシェアの高さが懸念すべき独占的な地位にはならない」と指摘する。